王一空さん(28)は、以前、大学入試に失敗し、南に下ってアルバイト生活を始めた。

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王一空さん(28)は、以前、大学入試に失敗し、南に下ってアルバイト生活を始めた。毎日十数時間キツイ仕事をつづけたため、疲労が蓄積した。そうした生活を続けているうちに、王さんはだんだんと俗世に嫌気がさしてきた。2008年冬、彼は修行のために隠遁生活を送ろうと、嵩山にやって来た。王さんは、山で食事をして寝泊りするほか、身体を鍛え、座禅を組み、読書をして過ごし、世間と隔絶した清貧生活を送っている。中国青年網が伝えた。

王さんは18歳の時、大学入試に失敗した。村の人々について深センに出て、ある溶接工場に職を得た。毎日十数時間に上る過酷な仕事によって、彼の疲労は極限まで溜まり、たびたび病気になった。労働者同士のいざこざや衝突も、彼にとって耐えられない苦痛の種だった。

王さんは、このような俗世間の生活に嫌気がさし、「人間関係には、腹の探り合いが多すぎる。これなら、修行者になった方がいい」と考えるようになった。

2008年秋、王さんはバイトで貯めた数千元の現金を持って、まず四川省の峨眉山に行き、その後南山に移った。同年冬、さらに嵩山に移り、この山に腰を落ち着けて修行することに決めた。

王さんが住む洞穴は、入り口は幅1メートル、高さ1.5メートルほど。中に入ると、湿っぽい空気が真正面から漂ってきた。中は真っ暗で、外が晴天でなければ、一筋の光もない状態だ。中の広さは十数平方メートル、時折、壁に水がポタポタと垂れている。彫像が一つ置かれているほか、中にあるのは一枚の木の板のみ、その上の布団は古くてボロボロ。これが彼のベッドと寝具だ。

普段、王さんは日常生活を楽しみ、進んで人助けをしている。雪が降ると、彼は雪かきにいそしむ。山道で地滑りや壊れた場所があれば、自ら進んで修理する。これらの作業を、彼は黙って行うのが常だ。

昨年5月、土砂降りの雨が降り、王さんが山道を急いでいると、ある人が誤って深さ十数メートルの断崖の窪みに落ちているのを見つけた。その人は骨折しており、周りにいた9人は、誰も下に降りて彼を助ける勇気がなかった。王さんは、手で岩石によじ登り、断崖の下に降りていった。自分も落下するかもしれないという危険も顧みず、その人を救出した。

その後、助けられた人は王さんと友達になり、たびたび王さんに生活物資を届けてくれた。王さんが助けた人が増えるにつれて、他の友人も増え、王さんはもはや食べ物の心配をする必要はなくなった。そして彼は修行に専念することができるようになった。携帯電話はもっているが、時刻を確認するだけで、外界と連絡を取り合うことはない。彼は外の世界に煩わされることが嫌で、俗世から隔離された修行者であり続けたいのだ。(提供/人民網日本語版・編集/KM)