24日、欧州連合(EU)離脱の是非を問う英国民投票で「離脱」と「残留」票が僅差の争いとなり、結局「離脱」派が勝利した。東京市場は大荒れとなり、東証株価が暴落、円は2年7カ月ぶりに99円台を付けた。資料写真。

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2016年6月24日、欧州連合(EU)離脱の是非を問う英国民投票で、「離脱」と「残留」票が最後まで争い、「離脱」派が僅差で勝利した。これを受けて東京市場は大荒れとなり、東証株価が暴落、円は2年7カ月ぶりに99円台を付けた。

英国のEU離脱を巡る問題は、今年の世界経済で最大のリスク要因と言われてきたが、「離脱」派が勝利したことで、金融市場は一転して波乱含みとなった。朝方、「残留」派優勢との見方が出回り、海外市場での安定的な展開を受けて落ち着いた展開だったが、英国国民投票の開票が進むにつれ、外国為替市場、株式市場ともに大荒れの展開となった。東京為替市場では円安・ドル高が進行、一時1ドル=99円台を付けた。2013年11月以来2年7カ月ぶりの高値。東京株式市場も乱高下を繰り返し、午後の取引で暴落、一時前日比1300円以上安い1万4900円台に沈んだ。1万5000円を割り込むのは2月12日以来4カ月半ぶり。

英国に工場や事業所を保有し、巨額の投資している日本企業は1000社超に上る。英国を拠点に、英国以外のEU(28カ国約5億人)の共通市場に無関税で輸出ができなくなる恐れがある。 2年間の猶予期間があるものの、経営にとっては大打撃となる。

離脱論は「国境を取り戻せ」「メイク・ブリテン・グレート・アゲイン(再び偉大な英国を)」などのスローガンを掲げた。米国の共和党大統領候補トランプ氏がヤリ玉に挙げるイスラム諸国やメキシコに相当するのが「欧州大陸諸国」だった。離脱派は反グローバル化を訴える層。経済状態が比較的良好で福祉制度が完備している英国流入を希望する移民・難民は多く、昨年33万人に達した。大半がEUからで、域外からの移民・難民が多いドイツとは異なる。英国以外で生まれた英国在住者は850万人に達する。離脱派はEUに残留すると、移民の増加で将来国民皆保険制度が崩壊すると主張した。

キャメロン首相をはじめ政府は、離脱すれば(1)52%がEU向けである英国輸出が減少する、(2)金融街シティーの取引に影響を与える―などの経済的な不利益が生じると主張。国際通貨基金(IMF)、経済協力開発機構(OECD)など国際機関の見解やオバマ米大統領の残留希望発言まで使って説得工作を行った。サッカーのデビット・ベッカムや人気ロックグループ、ローリング・ストーンのミックジャガーも残留を支持したがギリギリ及ばななかった。(八牧浩行)