23日、米国での計画とん挫が報じられた中国の高速鉄道事業をめぐり、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは「海外輸出を実行に移す前にやっておくべきことがある」と指摘する記事を掲載した。写真は中国の高速鉄道。

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2016年6月23日、米国での計画とん挫が報じられた中国の高速鉄道事業をめぐり、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは「海外輸出を実行に移す前にやっておくべきことがある」と指摘する記事を掲載した。

世界最大の高速鉄道網を持つ中国は、高速鉄道の海外輸出を積極的に推し進めている。これまで関連技術の導入に20カ国以上が積極的な態度を示してきたが、実際に契約を結んだ国は数カ国にとどまっている。実行に移す前に状況把握と準備を整えておく必要があるからだ。

中国が米国で予定していたロサンゼルスとラスベガスを結ぶ高速鉄道事業の白紙化も双方の周到な計画と相互理解が不足したことが原因だ。習近平(シー・ジンピン)国家主席の昨年9月の訪米成果とされるこのプロジェクトは「中国の競争力が日本、欧州を超えたことが示された」と注目を浴びたが、米側は今月上旬、中国企業との合弁解消を発表した。

米国の法律は高速鉄道の車両について国内での製造を求めているが、高速鉄道を持たない現地でこの要求を満たすためのハードルは高い。同プロジェクトにかかる費用として予測されていた額は、最低でも50億ドル(約5250億円)。中国から部品を持ち込んで組み立てた場合、コストがさらに引き上がる可能性がある。米当局の支援が得られなければ自分たちで資金を調達する必要があるが、双方には資金調達面で意見の食い違いが発生。さらにコミュニケーション不足が加わったことが失敗の主な原因と考えられる。

中国の高速鉄道事業はメキシコでも撤回となった。インドネシアでも日本に競り勝ち受注を獲得したが、その後迷走。タイでも同様の事態となっている。これにもかかわらず、中国は世界各地への高速鉄道輸出を諦めてはいない。特に重視しているのが国内西部と欧州を結ぶルートと、昆明(雲南省)とシンガポールを結ぶルートだ。さらに、日本や韓国も意欲を示すクアラルンプール―シンガポール高速鉄道事業も狙っている。中国に技術力があるとは言え、成功できるかどうかは事前にどれだけ現地の法環境、政治環境を理解するかにかかっている。(翻訳・編集/野谷)