乙武洋匡オフィシャルサイトより

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 参院選の最中、不倫騒動によって参院選出馬を断念に追い込まれた乙武洋匡氏に新たな騒動が持ち上がった。今週発売の「週刊新潮」(新潮社)6月30日号と「女性セブン」(小学館)7月7日号が揃って乙武夫妻の別居、離婚危機を報道したのだ。

 しかし、気になったのはその理由の報じられ方だ。乙武不倫をスクープした「週刊新潮」では、妻は不倫した夫を一度は許そうとしたが"夫が不倫した夫婦関係の修復は難しかった"と"不倫の一般論"として別居を報じており、違和感はない。

 問題は「女性セブン」だ。別居の最大の理由として、乙武氏の知人が"介護のせい"とコメントしているのだ。

「それまでは週の半分以上、家を空けていた乙武さんが24時間自宅に"謹慎"するようになり、(乙武夫人の)仁美さんにかかる負担が目に見えて重くなったんです。3人の子供の世話と家事に加えて、夫の風呂、トイレ、着替えなどで気の休まる時間がまったくない状況でした」(乙武夫妻の知人のコメント、「女性セブン」より)

 しかも、この介護負担増は乙武氏が不倫相手と別れたことによって起きたとこの知人はいう。

「仁美さんは乙武さんに見え隠れする女性の存在に、気づかないふりをしていたはずです。乙武さんが家に帰らず、外にいる誰かに世話をされていることで、むしろ夫婦関係のバランスが保たれていたことは否定できません」
「乙武さんの不倫に薄々気づきながらも、その状況に助けられてきたと感じていた部分もあったでしょう。どんなに頑張っても、別居という選択肢しか残っていなかったんでしょうね」(前出知人のコメント)

 一見、仁美さんを擁護しているようでいて、これほど障がい者とその妻を馬鹿にした論理もないだろう。

 たしかに、先天性四肢切断という障がいを持つ乙武氏に介護が必要なのは当然だし、それこそ障がい者自立支援法という悪法によって、家族の負担が増大しているのもわかる。しかし、それでも懸命にお互いを支え合っている夫婦は山ほどいるし、ましてや、乙武氏の立場なら、家族以外のサポート、ケアを受ける方法がいくらでもあったはずだ。

 それを、介護をサポートしてくれた愛人がいてこそバランスが取れた、妻もそれを黙認するだけでなく内心助けられたと思っていた、などというのは、無茶苦茶な理屈ではないか。

 それは、仁美さんを馬鹿にしているだけでなく、「障がい者は介護が大変だから、離婚してもしようがない」「障がい者は愛人をつくって介護させるべき」と言っているようなものであり、明らかに障がい者への差別、偏見を助長するものだ。

 だが、こうした差別的なトンデモ論理を展開したのは「女性セブン」だけではなかった。23日放送の『とくダネ!』(フジテレビ)で小倉智昭キャスターが乙武夫妻の別居報道を紹介しつつこんなコメントを発したのだ。

「奥さんはそれは十分ご存知だったと思う。彼が帰ってこない時には、誰かお世話してくれる人がいる。そういう意味では、奥さんもそれがあることによって助けられていたというのがあったんじゃないかな。知ってたと思うんです」

 そして乙武氏の不倫を「外に癒しを求めたの一言に尽きる」と全面肯定したのである。

 まさに、上から目線の障がい者差別というほかはないが、実はこうしたトンデモ主張をリークしているのは、乙武氏本人なのではないか、という説もある。

 というのも、乙武氏の知人がこぞって同じ言い方をしているからだ。たとえば、別居報道がなされた23日放映の『ノンストップ!』(フジテレビ)。そこで乙武氏とプライベートでも親しい関係にあり、不倫発覚直後の"謝罪パーティ"にも出席した神田うのが、放映前日に乙武氏からLINEに連絡があり別居について報告を受けたとして乙武氏とのやり取りや別居の真相をこう明かしている。

「今まで週の半分しか家にいなかったわけですよね、それで他の週の半分は事務所に寝泊まりしていた彼が、毎日、7日間家に帰る生活になったわけですよ。ずっと家にいる生活になったことで、奥様の仁美さんがすごく負担に、窮屈に感じてしまって、奥様の方から別居したいという風に言われてしまったから、と。(略)最初のお子様は生まれていま8歳なんですけど、で、3人いらっしゃいますよね。やっぱ子育てって、一人でも大変じゃないですか、そこに乙ちゃんも加わるわけですから。まあ、半分半分といいますか、それですごくバランスが取れていたんですよね。で、今回の報道で、不倫とか言われちゃうような報道が、こういう風に二人のバランスを壊してしまったから、私は友だちとしては本当に悲しいですよね。色んな夫婦のかたちっていうのが世の中にはありますから」

 少なくとも神田うののところには、乙武氏から直接、「女性セブン」や小倉とそっくりな弁明が届いていたらしい。

「実は『女性セブン』の記事も、乙武氏か乙武氏にすごく近い人がネタ元じゃないかという見方もありますね。『週刊新潮』に別居を直撃されたので、カウンターとして『介護負担が大きくなったせい』という情報を流したんじゃないか、と」(週刊誌記者)

 自分の不倫が大きな騒動になるや、妻にも謝罪をさせる。別居が明らかになるや、それを不貞行為のせいではなく"障がい"のせいにする。あまりに身勝手というしかないが、なぜか、多くのマスコミがすっかりこの論理に転がされている。

 しかも、愕然とするのは、この別居→離婚危機騒動で、不倫報道自体が間違いだった、というような主張まで飛び出してきていることだ。

 たとえば、前述の小倉も「複雑ですね。(別居は)報道したためにこういうことになってしまったのかな」と、ワイドショーの司会者らしからぬセリフを口にしていた。

 しかし、改めて言っておくが、今回の不倫騒動をプライバシー保護の問題にすり替えることはできない。本サイトでも何度も指摘しているように、乙武氏は昨年12月まで東京都の教育委員を務め、自民党から今回の参院選出馬が内定していると見られていた公人だった。

 そして、「週刊新潮」が報じたのは、単なる不倫ではなく乙武氏が政界進出にあたり、4年間付き合った愛人と別れる"身辺整理"の旅行に行ったというものだ。そういう意味ではベッキーを筆頭にした芸能人たちの不倫よりよっぽど報じる意味のあるものだ。

 障がい者への偏見と差別意識をなくすためにも、マスコミは「愛人と別れさせられて妻の介護が大変になったから」などという一方的な主張を垂れ流すのでなく、きちんと離婚の原因を解明して報道すべきだろう。
(伊勢崎馨)