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「国立公文書館デジタルアーカイブ」が2016年4月1日に正式にオープンしている。インターネットを通じて、「いつでも、どこでも、だれでも、自由に、無料で」を指針に正式公開となったこのWebサイト。重要文化財や公文書から教科書に登場するような巻物などの歴史的な資料まで、数多くが精細な画像で閲覧できる。まさに日本の歴史が"アーカイブ"されている。

国立公文書館は、国の行政機関から移管を受けた公文書などの資料を保存管理する目的で1971年に設立されている。以来、民主国家の発展と質の高い生活の実現を目指して、国民一人ひとりにひらかれた"情報の広場"となることを目的に尽力してきた。膨大な量の資料をデジタル化していくには、相当な時間と労力が必要だ。2005年の4月1日に運用を開始、国立公文書館が所蔵する資料を順次デジタル化、現在では約2000万画像にもなる。

タブレットやスマートフォンにも対応している高精細デジタル画像ビュアーは、横幅や立幅にサイズを合わせるボタンの存在と調整されたスムーズな動きで縮小/拡大を行えるため心地よく操作できるのも特長だ。この「国立公文書館デジタルアーカイブ」は、インフォコム社のデジタルアーカイブシステムパッケージソフト「InfoLib」シリーズを使って、構築されているという。

「InfoLib」は、デジタルコンテンツをインターネット上に広く公開するためのソリューションで、図書館や博物館などの機関リポジトリや官公庁などでの導入事例も豊富だ。このinfoLibのシステムの中核には、カナダはOPENTEXT社のXML対応高速検索エンジンOpenTextが採用されており、Resource Description Framework(RDF)やLinked Open Data(LOD)としてアウトプットすることもできるため、大量のデータを効率的に整った形で広く公開できるようになる。自動メタデータ収穫、メタデータコンバート機能や編集、管理機能を備えており、登録するメタデータ(目録データ)の項目の用途を設定するなど最短3ステップでの本格的なデータベース構築も可能だという。

デジタルアーカイブの重要性は、知的財産を「収集」「保存」「蓄積」し、「提供」できるところにある。公文書では、長期保存という目的がどの機関よりも必要とされる。100年後、そして1000年後という期間も視野にいれて、文字を中心にメタ化したデータで長期保存していかなければならない。耐久性にすぐれたマイクロフィルムが、公文書や資料に用いられるのと同じだが、マイクロフィルムリーダーを手軽に利用するのは難しい。InfoLibはこのようなオープンデータを用いて資料保管のニーズを満たすソリューションのひとつだといえる。

企業内においては、システムに存在する大量のデータをメタデータとして抽出し、これを繋ぎ合わせて統合ポータルを構築する。業務システムのサイロ化を防ぎ、別々の業務システムでは発見できなかった情報の発見や埋もれてしまったナレッジの掘り起こしも可能になる。当然、公開範囲も設定できるので、企業内での情報活用に活かせるのだ。新しい技術を追うのも重要だが、過去のデータの上手な整理整頓からビジネス継続に不可欠な情報が出てくることもある。むしろ、まったく新しいものを作り出す例の方が圧倒的に少ないであろうことは、想像に難くない。

(長岡弥太郎)