砂漠に「木の壁」をつくれるか?:クウェートの砂嵐への反撃

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砂嵐がたびたび襲来する中東の国クウェートは、31万5,000本の「木の壁」をつくることで被害を防ごうとしている。砂漠でどうやって木を育てるのか? オランダの企業が開発した技術「ウォーターボックス」がそれを可能にする。

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クウェートの首都クウェートシティは、イラクから頻繁にやって来る砂嵐に悩まされている。高さ数百mもある砂嵐は、最高時速100kmでアラビア砂漠を超えてクウェートシティに到達し、この地域の経済に深刻な被害をもたらしている。

「砂嵐が起きる頻度は著しく増加しています」と語るのは、クウェート気象局の気象学者エサ・ラマダンだ。「トルコでのダム建設、気候変動、湾岸戦争による環境破壊」がその理由だという。

クウェートは反撃を開始した。非営利団体「Kuwait Oasis」は、砂の流動性を抑えるために、2019年までに国境沿いに31万5,000本の木を植える活動を進めている。

こうしたプロジェクトには、すでに成功例がある。モンゴルのクブチ砂漠でも同様のプロジェクトが行われ、植林によって年間80回起こっていた砂嵐が5回以下にまで減少したというのだ(文末に動画)。

どちらのプロジェクトでも、オランダの企業・Groasis Technologiesの植物育成器「Waterboxx」が使われている。Waterboxxには、夜間に空気中の水分を凝縮して集め、日中は蒸発を防ぐ働きがある。これによって木が必要とする水の量は、通常の1/35以下で済むという。

プロジェクトを難しくする要因のひとつに、戦争があるという。「国同士の対立が大きな障壁になります」とラマダンは言う。「(環境問題に取り組むためには)最終的にはイラクやシリア、サウジアラビアの協力が必要です」