度重なる挫折を経験している中国の高速鉄道輸出だが、中国メディアの中国債権信息網は20日、中国が輸出プロジェクトを成功させるためには、「己を知り、相手を知る」必要があると説明する記事を掲載した。(イメージ写真提供:(C)Guo Zhonghua/123RF.COM)

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 度重なる挫折を経験している中国の高速鉄道輸出だが、中国メディアの中国債権信息網は20日、中国が輸出プロジェクトを成功させるためには、「己を知り、相手を知る」必要があると説明する記事を掲載した。

 「己を知る」ことについて、記事は中国の融資面における弱点を知る必要があると説明。例えばインドネシアの事例では最終的には中国が勝利したものの、日本は年0.1%と償還期間50年という条件を提示できたが中国が提示できた金利は年2%だったと指摘。

 インドネシア政府の債務保証などを求めないという別の条件を提示したことで受注した中国だったが、金利面ではインドネシア側の要望に沿った内容を提示できなかったとの見方を示した。

 また「相手を知る」ことについて、記事は高速鉄道建設の発注先国家の政治環境やビジネス環境を知る必要があると説明。これらの環境が不安定であれば、例え急いで受注したとしても結局は目標を達成できないと指摘した。これはベネズエラが良い例だろう。ベネズエラの景気低迷などを背景に、中国が受注した建設工事はすでにストップしており、資材なども現地の人びとに持ち去られてしまったとの報道もある。

 逆に先進国が発注先の場合、中国には法律、金融、技術面での人材育成が必要であり、相手国の駆け引きの仕方に精通する必要があるという見方を示しているが、これは米国が当てはまる。中国企業は高速鉄道建設を目指して米国企業と提携したものの、わずか1年足らずて提携を解消されてしまった。

 「敵を知り己を知れば、百戦危うからず」という孫子の兵法は日本でもよく知られており、この原則をビジネスに活用している人も大勢いる。では仮にあるビジネスにおいて当事者すべてがこの兵法を活用するとしたら、勝利を手にするのは誰だろうか。

 それはいうまでもなく、この兵法をどれだけ徹底的に活用した側だ。そして当然経験も必要だろう。ただ中国の場合、受注後に様々な問題が生じ、当初の計画どおりに高速鉄道建設が進まないという問題に苦しんでいるため、当面の課題は記事が指摘するところの「相手を知る」という点に一層の努力を傾けることだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)Guo Zhonghua/123RF.COM)