名前だけは知っている、「滋養強壮成分」を徹底解説

写真拡大


執筆:山本ともよ(管理栄養士)

元気をつけたいときに「滋養強壮」と謳っている栄養ドリンクやサプリメントを飲む方も少なくないでしょう。
よく聞く「滋養強壮」につながる成分や効果をご紹介します。

「滋養強壮」とは

「滋養」とは「身体に栄養素をしみ込ませること」、「強壮」とは「身体を強く、元気にすること」を意味します。つまり、滋養強壮とは、「栄養素を補い、強く元気な身体を作ること」を言います。
ウナギはよく知られている滋養強壮の食材ですが、そのほか代表的な食材には次のようなものがあります。次の段落で詳しくご紹介していきます。

滋養強壮につながると言われる食材

マカ


マカの根は食材や漢方薬として重宝されています。男女ともに「強壮作用がある」と言われていますが、とくに男性では、臨床試験での有効性も報告されています。
その理由は、含まれる栄養素にあります。筋肉や身体の機能を司るホルモンの基になる必須アミノ酸や、神経やホルモンの働きを活性化する亜鉛、鉄、カルシウムなどのミネラル類、エネルギーを作るのに必須であるビタミンB群などのビタミンが多く含まれています。

スッポン


カメの一種で軟らかい甲羅をもつのが特徴。頭、甲羅、肉、卵、血、脂肪など各部位ごとにさまざまな効能を持ち、漢方薬として用いられています。乾燥させたスッポンの甲羅は土鼈甲(どべっこう)と呼ばれ、粉末にして精力剤や市販の栄養ドリンク、健康食品の原材料に用いられることも多くあります。
必須アミノ酸やビタミンB群、カルシウム、鉄が豊富。含まれる栄養素はマカと似ており、滋養強壮への効果は同様です。

桂皮(ケイヒ)


シナモンやニッキとも呼ばれていて、こちらの方が身近に感じる人が多いかもしれません。
乾燥や粉砕をしてスパイスに使用されたり、抽出エキスや精油は生薬の成分にも使用されています。その抽出成分は、血の巡りをよくするとされ、冷え症や冷えからくる肩こりなどの諸症状、食欲不振、胃腸のもたれ、胃の痛みなどの症状を緩和すると期待されています。
元気のない時に起こりやすい症状を緩和するとして、滋養強壮を謳う製品の成分として使用されています。

イミダゾールジペプチド


特定の動物の筋肉中で作られる物質の総称。バレニン、アンセリン、カルノシン等が代表的な成分です。例えば、クジラは、これら3つの成分を含んでおり、特にバレニンを多く含んでいる事で知られています。
バレニン等の成分は、疲労蓄積の原因物質であり、心身にストレスがかかると生じる「活性酸素」による酸化ダメージの修復を助けたり、ダメージ自体を抑制する予防的な働きがあるのです。


ここまで、滋養強壮のために使われている食材についてご紹介しましたが、普段の料理にこれらの食材が利用されることは、なかなかありません。サプリメントにも、これらの食材から得られる成分を含むものが多くあります。ぜひ、滋養強壮に働く製品の原材料に目を向けてみてください。


<執筆者プロフィール>
山本ともよ(やまもと・ともよ)
管理栄養士、サプリメントアドバイザー、食生活アドバイザー
株式会社 とらうべ 社員。企業で働く人の食と健康指導。糖尿病など疾病をもった人
の食生活指導など活動中