子どもが昼寝しない! ちゃんと成長できるのか心配…

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執筆:南部洋子(助産師、看護師、タッチケア公認講師)


生まれてすぐは、おっぱいを飲む以外は寝てばかりだった赤ちゃんも、生後1か月を過ぎたあたりから起きている時間が増えてきます。
やがて、夜と昼の区別ができるようになり、昼間は寝る時間がグッと減ってきます。
中には、昼寝をしない子供も出てきます。まさに、「寝る子は育つ」の逆の状態です。こんな調子でうちの子はちゃんと成長できるのかしら、と不安になるママもいるかもしれません。

赤ちゃんの睡眠時間

でもほとんどの場合は心配しなくて大丈夫。
赤ちゃんによって個人差はあるものの、月齢が進むにつれて睡眠サイクルが整備されていくので、昼寝のための環境を整えれば、定期的に昼寝をするようになります。

大人もそうですが、どれくらいの睡眠時間が必要かは人によって異なります。
長時間眠らないとダメな「ロングスリーパー」もいれば、短時間の睡眠でも活動的な「ショートスリーパー」もいます。
これは赤ちゃんも同じです。
昼寝をタップリしたい子も、ほんの5分〜10分で十分という子もいて、どれが正解ということはないのです。

子供は寝なくても育つ?

お母さんの心配は、「昼寝の時間が少なくて発育に影響がないのか?」ということでしょう。

しかし、日中に機嫌よく遊んでいて、夜の寝つきや夜中の睡眠状態、朝の目覚めが良いのであれば心配はありません。ただし、夜に寝つきが悪い、夜泣きがひどいなどの兆候があったら、昼寝の必要性を考えてもいいでしょう。

自分の子がどんなタイプかをみて、その子に合った昼寝タイムを作ってやることが大切です。効果的な昼寝のためには、次のような点に注意しましょう。

部屋を暗くする必要はない

夜寝るのとは違うので、部屋を真っ暗にする必要はありません。
むしろ、「寝ているけれども昼間なのだ」ということが赤ちゃんにもわかることが大切です。

睡眠を妨げない

子供が昼寝をしている間も、お母さんはすることがあるかもしれません。
でも、大きな音で急に目を覚ますことがないように注意してください。

眠らなくても休ませる

昼寝をしない子でも、日中お布団の上で横になる時間を取りましょう。
横になっているだけで赤ちゃんの体力が回復し、機嫌がよくなります。

赤ちゃんの睡眠ペース

赤ちゃんに、朝日を浴びさせて目覚めさせることで、体内時計をリセットする効果があります。
だいたい生後4か月頃までには、外の世界に慣れようと生活にある程度のペースができてきて、体内時計も整備されてきます。それに伴って、夜の睡眠サイクルも出来上がっていきます。

成人の睡眠サイクルが90〜100分なのに対して、赤ちゃんの場合は50〜60分と短いながら、一晩に何度もこのサイクルが繰り返されます。
すると昼寝も定期的になり、午前中なら9時〜11時の間に1時間くらい、昼の授乳後に2時間くらい寝る子が多いようです。
一方、夕方に寝る時間は段々となくなっていきます。

初めてのママにとっては、なにかと心配になることが多いでしょう。
でも「昼寝」については、そこまで神経質にならなくてもよさそうです。


<執筆者プロフィール>
南部 洋子(なんぶ・ようこ)
助産師、看護師、タッチケア公認講師 株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での経験後、とらうべ社を設立。タッチケアシニアトレーナー