中国にとって高速鉄道の輸出は重要な国家戦略の1つだが、中国メディアの中国経済網は17日、輸出プロジェクトに対する過度の期待は、中国にかえって損害をもたらすと論じた。(イメージ写真は「CNSPHOTO」提供)

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 中国にとって高速鉄道の輸出は重要な国家戦略の1つだが、中国メディアの中国経済網は17日、輸出プロジェクトに対する過度の期待は、中国にかえって損害をもたらすと論じた。

 記事は近年における中国高速鉄道の輸出成功例がただインドネシアの事例1件のみであり、メキシコ、タイでは中国の思惑どおりに進まず、さらに米国では提携企業が一方的に提携打ち切りを発表するなど、計画の頓挫など失敗例が非常に多いことを指摘。インドネシアの受注例でさえ「財政支出や債務保証のない」不利な条件によるものだと説明した。

 こうした失敗例は「全世界における高速鉄道に対する需要は、中国が期待しているほど大きくないということを証明するもの」だとし、結論として記事は、もし海外市場の需要に対する見方、つまり「前提条件を見誤るなら、必ず大きな問題を招くことになる」と指摘した。

 記事の論点は明快だ。中国高速鉄道の輸出戦略はそもそも割に合う商売なのだろうか、という問題を提起するものだ。もう一歩進んで言えば、割に合わないならこの商売から手を引いたほうが得策だという主張も含まれていると言えよう。

 記事は中国国内において高速鉄道は効率的な輸送手段であり、また十分な数の乗客が存在し、さらに利用客にとって乗車券も手ごろであったとしても、中国以外の国では空の便や自動車などの移動手段のほうが効率的であったり、ある国にとっては例え高速鉄道があっても乗車券価格が高すぎ利用できないという問題が存在するという見方を示すものだ。

 中国がもし高速鉄道の輸出戦略を放棄すれば、一帯一路構想にも少なからぬ影響が及ぶだろう。しかし間違った前提条件のもとに国家戦略を推し進めるのは、もろいとわかっている土台の上に巨大な構造物を建築するのと同じくらい愚かな行為と言える。(編集担当:村山健二)(イメージ写真は「CNSPHOTO」提供)