女性なら一度は「生理がなかったら楽なのに」とため息をついたことがあるだろう。

 寝込むほどの痛みや吐き気、気分の大変調を伴う「月経困難症」であればことさら。繁忙期や出張に月経が重なったときの心身の負担は語りつくせない。二日酔いの朝の状態が一日中続き、ひどい腹痛や腰痛を抱えて働き続ける自分を想像して欲しい。それが毎月1週間〜10日間は繰り返される。

 あまり男性陣には知られていないが(関心がない?)、経口避妊薬の低用量ピルは月経をコントロールする側面を持つ。月経に伴う症状を軽減し、月経周期を自分のスケジュールに合わせてずらすことだってできる。

 問題は低用量ピルの長期服用には「肺塞栓症」のリスクがつきまとうことだ。

 肺塞栓症は、ふくらはぎの静脈にできた血栓がはがれ、肺動脈を詰まらせる病気。一般に、低用量ピルを飲まない人の塞栓症リスクは年間1万人当たり1〜5人、服用者は3〜9人とされる。メーカー各社は副作用を減らすべく、有効成分の含有量や組成、投与法に工夫を凝らしてきた。

 先日、2010年7月〜12年9月にフランス在住の女性で、低用量ピルを服用している15〜49歳が対象の調査結果が報告された。

 544万3916人の女性のうち、肺塞栓症を発症したのは1800人(1万人当たり3.3人)、脳梗塞が1049人(同1.9人)、心筋梗塞は407人(同0.7人)だった。

 低用量ピル別で肺塞栓症リスクが有意に低かったのは、有効成分のエストロゲン量が0.02mgの「超」低用量ピル。なかでも、もう一つの有効成分である黄体ホルモンとして、第2世代の「レボノルゲストレル」が配合されている複合錠が最も低かった。

 現在、日本で使用可能な超低用量ピルは、10年以降に承認された2種類のみ。それぞれ第1世代、第3世代の黄体ホルモン複合錠だ。第2世代の超低用量ピルは承認されていない。

 女性の社会参加を促すなら、こうした面での支援も必要だと思うのですが、いかがでしょうか。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)