オバマ大統領は2008年の大統領選挙時に米国内の高速鉄道整備を公約の1つとして挙げていたが、中国メディアの寧夏網絡広播電視台はこのほど、オバマ政権が今に至るまで高速鉄道路線を1本も建設できていない理由について論じる記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

写真拡大

 オバマ大統領は2008年の大統領選挙時に米国内の高速鉄道整備を公約の1つとして挙げていたが、中国メディアの寧夏網絡広播電視台はこのほど、オバマ政権が今に至るまで高速鉄道路線を1本も建設できていない理由について論じる記事を掲載した。

 記事は「表面的」な理由として3つ指摘。1つ目は航空産業や高速道路の利益団体からの反対、2つ目は立ち退きや騒音などの問題に基づく国民からの反対、そして3つ目は故郷に高速鉄道停車駅の建設を要求する議員が多く、要求に応じないなら投票否決され、応じるなら停車駅が多くなるため「慢速鉄道」になるためだと論じた。

 しかしオバマ政権が今に至るまで高速鉄道路線を1本も建設できていない「根源的な理由」は、米国の選挙制度にあると指摘。そのため「政治権力が大衆や資本に屈服」してしまい、結果として「国家や民衆の益になる高速鉄道が、民衆と資本の手によって握りつぶされた」という見方を示した。

 世界第1位の経済大国の高速鉄道がいまのところボストン、ニューヨーク、ワシントンDCを結ぶ「アセラ・エクスプレス」のみだという事実には多少違和感を感じる。一部資料によれば、この路線は平均時速140km程度であり、高速鉄道というよりもむしろ特急列車であり、飛行機や自動車の利用のほうが快適と見る米国市民もいるようだ。

 米国にとって高速鉄道は必要なのだろうか。高速鉄道整備を公約していたことからオバマ大統領は国家や民衆の益になると見ていたことがわかる。それを望む米国民も多少はいたのだろう。しかし高速鉄道からそれほど益を得ることができない地域の人びとは、こうした税金の使い方に異議を唱えてもおかしくはない。

 ただ米国はすでに十分に発達した国家だ。高速鉄道整備が国家の経済や人びとの福祉にそれほど大きな益を及ぼさないのであれば、資金を既存の交通手段の整備に費やすよりも世界を牽引することのできる次世代交通手段の開発に費やした方が米国にとっても世界にとっても益になるのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)