『美しくなるためのランニング講座』
第4回●フォームチェックとクールダウン

ランニング初心者の馬場ふみかさん(女優・モデル)がフルマラソン完走を目標にトレーニングを開始! 指導担当は、湘南ベルマーレ・トライアスロンチームの中島靖弘ヘッドコーチ。「楽しく、頑張りすぎない」ランニング講座の第4回。

【プロフィール】
●中島靖弘 http://www.bellmare.or.jp/triathlon/profile/member.html
湘南ベルマーレ・トライアスロンチーム・ヘッドコーチ。ニューバランスランニングアドバイザー
●馬場ふみか http://lineblog.me/babafumika/
女優・モデル。新潟県新潟市出身。167cm。

■練習時にチェックすべきポイント

 フォームを意識して走ると、疲労しやすい筋肉や動きの効率の変化がわかってくるので、それを感じてみてください。たとえば、胸を張ってお腹をちょっと引っ込めると、走るときのジャンプする効率が変わります。それを実感して、体のどこから前に進んでいるかを少しでも意識し続けてもらえれば、徐々にフォームが良くなってゆくのがわかると思います。

 動きの変化を感じることはなかなか難しいことです。走っていて、「首や肩が張ってきたな」とか「ふくらはぎが張ってきたな」と感じたりしたら、止まって一度チェックしてください。

 最初は止まることなく走り続ける必要はありません。走っている途中で足を止めストレッチをするなり、自分の動作をひとつずつ確認しながら走ってみてください。

 走り始めると、「休んではいけない」と思いがちですが、正確に効率的に楽しく走るためには休むことも必要です。敢えて止まってストレッチするなど、自分でフォームをチェックしましょう。

 正確なフォームを作る点で注意してもらいたいもうひとつのポイントが、「視線」です。初心者の方で、下を向いて走っている人がときどきいますが、これはNG。顔をあげて視線を遠くにすることで、自然と良い姿勢が取れます。目線が上がれば体も起き上がる。たとえばフルマラソンの後半で、つらくなった時、視線を遠くのどこか一点に集中すると、つらさは軽減されて楽に走れます。

 また、数百メートル先の建物を見て走るのと、地面を見て走るとのでは気持ちも集中力も違います。視点が定まると集中力が高まってフォームも良くなり、フィジカルとメンタル、両方に効果があります。

■クールダウンの重要性を知ろう

 走ったあとは使った部位をケアするためにストレッチをしましょう。とくに初心者の方は、考えている以上に体にダメージを受けていることがあります。翌日に疲れを残さぬよう、またケガの防止、次の練習を快適にするためにも最後はしっかりとストレッチをやりましょう。

 ストレッチはフラットな場所でやるよりも、階段や縁石といった段差や椅子やソファなどを利用してやるとより効果的です。

 片脚の膝を伸ばした状態で台の上につま先だけで立ち、踵を下げていくとふくらはぎの上部にある腓腹筋がよく伸びます。その体勢から膝を曲げると、ふくらはぎの下部にあるヒラメ筋が伸びます。

 今度は膝を伸ばした状態で台の上に踵を付け、太もも付け根に手を当て、しっかり胸を張って前傾します。そうすると太ももの裏にあるハムストリングがよく伸びます。座った状態でやるのが一般的ですが、このほうが簡単に伸ばすことができます。

 このとき、つま先を真上に向けた場合と、内側・外側に向けた場合では、伸びる部位が違うので、同じ姿勢で止まるのではなく、ゆっくりつま先の向きを変えて一番気持ち良い方向を探しながら、全体を伸ばして行きましょう。

 次に反対を向いて、片足を台の上につま先を置きます。その状態で反対側の脚の膝を曲げていくと、太ももの付け根あたりにある腸腰筋がよく伸びます。とくに女性は運動をするとこの部分が固くなり、痛みが出やすいのでしっかりとやりましょう。これも少しつま先や膝の方向を変えて行うと伸びる部位が変わって行きます。一番伸ばしたい部位を探すようにしてください。

 段差を使うのはとても有効で、例えばフルマラソンを走っているとき、途中で張りを感じてフラットな場所でストレッチをすると、かえって脚をつってしまうことがあります。なるべく段差を使ってのストレッチをオススメしています。

●ランニングを終えて

―― 30分程度ですが、今日は実際走ってみていかがでしたか?

馬場:やっぱり走っている最中はちょっと苦しかったです。

中島:いや、走りながらしゃべれていたから大丈夫ですよ(笑)。

馬場:多少は苦しいなと思っていたんですよ(笑)。

中島:フォームも安定していましたし、スジの良さを感じました。もっと走れない人はたくさんいますからね。

馬場:じゃあよかったです。

中島:いままでの人生で一番長く走った?

馬場:高校のときの持久走が今日ぐらいの距離だったかもしれません。終わった後は疲労感があったんですけど、ちょっと時間が経ったら思っていたよりも疲れていないです。

中島:約5キロですけど、楽に走っていた印象です。

馬場:自分で思っていたよりも楽に走れました。コーチとしゃべりながら走っていたこともあると思います。ひとりで黙々と走っていたら感じが違ったのかもしれません。

中島:この調子でいけば、絶対にフルマラソン行けると思いますよ。

馬場:まだフルマラソンに行ける気持ちになっていません(苦笑)。

中島:スポーツというのは、できなかったことができるようになってくとより楽しくなるものですから、きっと大丈夫です。今日はふくらはぎが張ってきたと言っていましたけど、そういうこともなくなってきます。

馬場:そうなんですね! たしかに、今日走り終わった後、ちょっとだけ達成感がありました。

中島:そういう経験を重ねていくと、どんどん楽しくなってきます。今日の様子を見ていると倍の距離を走っても大丈夫ですね。

馬場:距離はちょっとずつ増やしてください(笑)。

中島:わかりました! ある程度、継続させることが大切です。僕もランニングする期間が空いてしまうと、また走り始めたときに苦しくなりますから。

馬場:はい、わかりました。

中島:今日は最後まで姿勢がブレることなく走れていましたし、すごく良かったです。一番よかったことは文句を言わず走ったことかな(笑)。

馬場:いや、心の中では......(笑)。それから、初心者が気をつけるべき点は何ですか?

中島:さきほども言いましたが、少しの距離や時間でもいいので継続することです。時間が空いてしまうと体は元に戻ってしまいますので。

馬場:走るときに心がけることはありますか?

中島:正しい姿勢をしっかりと保ち、腕を振ること。あまり難しいことを考えず、それだけで十分です。馬場さんはセンスがあるし、優等生だから大丈夫です!

石塚隆●取材・構成 text by Ishizuka Takashi