【京都】あの「顔の家」の口の中にまさかの「ショップ」がオープン

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はじめまして。
関西ローカルの番組を構成している放送作家の吉村智樹と申します。
今週から、僕が住む京都の「気になる」情報をお伝えしてゆきます。
どうぞよろしくお願いします。

京都には「顔の家」と呼ばれる謎めいた建物があります。

文字通り「家そのものが人間の顔になっている」という驚異の建造物です。

(圧倒的存在感!)

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京都御所を南へくだった、いまなお町家が建ち並ぶ風情ゆたかなエリアに突如出現する巨大な顔。

その正体は東京の数寄屋橋交番などのデザインを手がけた著名な建築家、山下和正さん設計の住居兼スタジオとして建造されたもの(現在の大家さんは別の方です)。

肌の色はアイボリー。ふたつの丸い窓は目になっており、ベランダは耳。立派な鼻にはご丁寧に穴まであり、換気口になっています。

(画像では見えませんが鼻柱の内側に換気口があります)

つまりこの「顔の家」は、人間と同じようにちゃんと呼吸をするという凝りよう。

いやあ、何度見てもすごい。まるで地底人が「ぷはっ」と顔を出した瞬間に立ち会ったような。初めて見たときは、一瞬で街の遠近感がつかめなくなりました。
それくらいの衝撃度。

この知る人ぞ知る京都の珍スポット「顔の家」。

建造された昭和49年から42年。 いまなお異彩を放ち、初めて見る人の目を丸くさせ続けてきたのですが、

なんと!

この度「お口の中にショップができた」のです。

イースター島のモアイ像のようにずっと静かにそこにたたずみ続けるのだとばかり思っていたので仰天! なじみの顔のあまりの変化に、はじめは我が目を疑ってしまいました。

(築42年目の顔の家にお店ができていた!)

顔のなかに開かれたお店の名は「creative studio&shop OOO(クリエイティブスタジオ&ショップ オーオーオー)」。

オープンは2015年の9月という、街のニューフェイス。

あんぐり開いた口のなかは左右に分かれていて、向かって左側は国内外の作家による愛らしいハンドメイドやDIYキット、雑貨のセレクトショップ。

右側はワークショップやイベント、ギャラリーに使うスタジオに。こちらの壁は黒板になっており、お客さんがチョークで自由に絵を描くことができます。

(口の左側のショップでは国内外から集めたハンドメイド雑貨とDIYキットを販売)

(別角度から)

(口の右側はワークショップやアーティストの展覧会などを開催するスタジオに)

店長は京都のこの街で生まれ育った小川智代さん。

(店長の小川智代さん)

“口の左側” でディスプレーされるのは、これまでアメリカと東京でデザイン関係の仕事をされていた小川さんが自ら選んだこだわりのアイテムたち。国内外の作家やアーティストの手づくり作品がセレクトされています。

さらに砂絵や器になるロープなどハンドメイドキットを多く扱っているのも大きな特徴。自分でも手づくりを始めるきっかけに出会えってもらえれば……という小川さんの願いが表れています。

(一見ケーキ。実は手づくりのキャンドル)

(ロンドン生まれの生活雑貨ブランド「ジムボバート」の食器)

(ものづくりをイチから始められる楽しいキットが多数そろっている)

京都ではここでしか手に入らないもの、日本での販売や展示それ自体がレアなものもあり、目が離せません。

そして、もうひとつ“口の右側” で開かれるのは予約制のワークショップ。

ランプシェード、スツールなど日常に使えるものを中心に企画されています。

小川
「テーマは“つくることを楽しむ。できたことを味わう”です。

『なにか作りたいけど、なにから始めていいかわからない』。

そういう方がハンドメイドに興味を持つきっかけになればいいなと思っています。

『できた!』っていうあの瞬間の新鮮な喜びを体感してほしい。

店名の『OOO(オーオーオー)』も『えいえいおー!』から始まって、できあがったら『おおー!』って感動してもらいたいという意味なんです」

(ランプシェードのキットの購入だけではなく手づくりできるワークショップも)

ものづくりの感動を味わってほしいという想いから「OOO(オーオーオー)」をオープンさせた小川さん。そもそも建築家が世に放ったこの顔の家そのものがクリエイティブの象徴。言わば創作界の顔役。

それにしても永く京都にありながら誰もが見あげるだけだったインパクトありまくり物件を、よくぞお借りになられましたね。

(小川さんと「顔の家」)

小川
「私が幼稚園児の頃からあるのは知っていましたが、ずっと外から眺めるだけの日常の風景でした。そして京都に帰ってきて、ハンドメイドを楽しんでもらうためのショップ&スタジオを開きたいなと考えていたときに、この顔の家が『空いてるよ』って教えてもらって、子供の頃からの想い出とコンセプトがぴったりな気がして勢いづいたんです。眺めるだけではなくお子さんから大人の方までどんどん中へ入ってきてもらいたいです」

おおー!なんというジャストなタイミング。独創的なビルをたくさん生みだしてきた建築家の魂が次世代の才能の出現を待っていたとした思えないエピソード。このようなかたちで京都に新風を呼び起こす素敵な拠点が誕生したとは驚きです。

……もっとも誰よりも驚いたのは、40代になって突然、口のなかが注目を浴びることとなった顔の家自身かもしれませんが。

(「すごい変化だな〜」と自分で驚いている様子?の顔の家)

店名■creative studio&shop 「OOO」(オーオーオー)
住所■京都市中京区衣棚通二条上ル堅大恩寺町740-1 顔のいえ1F
営業時間■10:00〜19:00
定休日■水曜
電話■075-203-9259
URL■http://creativeooo.com/

6月30日(木)まで
ロサンゼルスを拠点に世界に砂絵の楽しさを広めているアーティストNaoshiさんのポップアートの展示&販売があります。砂絵も体験できるワークショップもあり。
詳細はcreative studio&shop 「OOO」のウエブサイトにて。

(撮影・取材 吉村智樹)