連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第12週「常子、花山伊左次と出会う」第68話 6月21日(火)放送より。 
脚本:西田征史 演出:岡田健


滝子は病気。
日本は戦争。
清(大野拓朗)は日本木材統制株式会社(戦争のために国が木材を管理するための会社)に就職を決めた。
鞠子(相楽樹)も、卒業したら働くことにする。

重苦しいことばかりの話題のなかで、隈井(片岡鶴太郎)だけが「明るい話をご提供」。
木材の切れっ端で玩具をつくって、子どもたちに配布しはじめたのだ。名付けて「青柳教育玩具」。
子供たちの笑顔で暗くなった深川に活気が蘇った。
「重苦しい空気を吹き飛ばしたい」という思いをみごとに実現してみせた隈井は、
「あっしは泣き虫ですけどね 人のことを笑わすのが好きなんですよ」と言う。
隈井のこの言葉が、常子に気づきを与える。常子は、このご時世にふさいだ読者を笑わせたいと出版会議で提案する。すると、それは以前、谷編集長(山口智充)も考えていたことだったことが判明。だが、このご時世に笑いは不謹慎と編集者たちの反対にあったのだ。

常子が新たに提案したことによって、編集部一同、賛成にまわる。
笑いに関するエピソードは、お笑い芸人をやっていた西田征史には気持ちを乗せやすい題材であろう。「あっしは泣き虫ですけどね 人のことを笑わすのが好きなんですよ」は、片岡鶴太郎の言い回しも手伝って、真実みがあった。
戦時とはいえ、ちょっといい感じに進み始めた常子の生活。
ついに「人生最大のパートナー」花山伊左次(唐沢寿明)に出会う。
内務省の宣伝の仕事をしている花山が見ていた「進め一億火の玉だ」「使って育てよ代用品」は大政翼賛会が募集した標語。標語の選者として花山のモデル・花森安治が参加していて、これが戦後の花森の行動に大きな影響を与えることとなる。
「帰れ 邪魔するな 帰れ 邪魔するな 帰れ 邪魔するな 三度も言わせるな!」
と大きな声で韻を踏んで常子を迎え撃つ花山。常子も、どう考えても、話かける雰囲気じゃない時に声かける空気読まなさがすごい。そうしないと話が進まないのはわかるけれど、そこ、もー少し理屈考えて脚本を書けないものだろうか。

さて、今後ものすごく重要な役割となる花山役を任された唐沢寿明は、芸能界に入った初期、ホリプロに所属していたこともあり、ホリプロ制作の舞台(主に彩の国さいたま芸術劇場との共同制作、蜷川幸雄のシェイクスピアシリーズ)にも多く出演している。元ホリプロの西田征史と唐沢寿明が、現・ホリプロの高畑充希を全力サポートという構図になってきた。
(木俣冬)