最近、再び円高が進行している。円高は日本人の海外旅行の後押しにはなるが、日本のインバウンド産業への影響は気になるところだ。特に中国人旅行客は価格に敏感なため、円高によって割安感が薄れれば、せっかくの爆買いも見られなくなってしまうかもしれない。(イメージ写真提供:123RF)

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 最近、再び円高が進行している。円高は日本人の海外旅行の後押しにはなるが、日本のインバウンド産業への影響は気になるところだ。特に中国人旅行客は価格に敏感なため、円高によって割安感が薄れれば、せっかくの爆買いも見られなくなってしまうかもしれない。

 中国メディアの澎湃新聞はこのほど、「日本円は対人民元でわずか1年で28%も上昇した」と伝え、中国人旅行客の爆買いも「ピークを越えてしまった」可能性があることを指摘し、円高が訪日中国人に与える影響を分析する記事を掲載した。 

 記事はまず、円高が急激に進んでいることに言及。2015年6月の時点で100円=4.9474元だったのが、16年6月には6.3272人民元になっており、1年で円は対人民元で27.89%も上昇したと紹介。これは訪日中国人にとってはショッピング時の価格が3割増しになったことを意味する。

 しかし、今のところ中国人の日本旅行ブームに影響はないようだ。日本政府観光局の統計によると、16年1月から5月までの訪日中国人数は前年同期比45.3%増の249万4200人となり、国別では中国が最多だ。

 爆買いも今なお健在ではあるものの、記事は「日本の百貨店ではすでに爆買いのピークは過ぎた」という見方が広がっていると伝えている。そう言われるのは爆買いの対象が、宝石などの高級品から化粧品や日用品へとシフトしているためだという。ある百貨店では、宝石や時計などの高級品は購入額が伸び悩む一方で、化粧品や生活用品の売り上げは好調で、子供服も人気があり、顧客数は1割増えたが、客単価は2割も減ったという。したがって、「旅行客数は増加を続けながらも、1人あたりの消費額は減少している」という実態が見えてくる。

 中国人観光客による爆買いは少なからず日本経済に良い影響をもたらしてきたが、やはり円高の影響は小さくないようだ。円高がさらに進行するのか、今後、日本政府や日銀がどのような金融政策をとるのかが注目される。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)