「ちょっと今夜飲みに行かない?」気になる彼女を誘う初期のデートには、上品な店内でワインと焼き鳥を楽しめる店がピッタリ。

フレンチや寿司屋ではなく、「オシャレな焼き鳥」という気軽さに、彼女も警戒せずにOKすることができるはず。

肩肘張らずに、かつロマンチックに彼女をおとしたいなら、焼き鳥にワインを合わせるこちらの店へ。デートにぴったりなモダン焼き鳥店をご紹介!



濃いタレをまとった脂肪分の多いレバーには、その甘さに同調する干しぶどうやプルーンのような風味を持つ赤ワインを合わせて
ワイン×焼き鳥といえば、やっぱりここ! 『鳥幸WINE PAIRING』

恵比寿西


ワイン×焼き鳥と言えばこの店をなくしては語れない。デートにぴったりな焼き鳥店『鳥幸WINE PAIRING』だ。

この機会に、ワインテイスター・ソムリエの大越基裕さんに、焼き鳥店でのワイン選びの法則を教えてもらおう。

「焼き鳥とワインのペアリングは、脂質をどう中和させるかがテーマです。また、ワインの重さはタレの濃淡、部位の脂のボリュームによって決定されます」と大越さん。

一般的には醤油を使うことから、赤ワインと合うと思われているタレ。しかしその相性がいい理由は、樽を使うことで生まれる風味や甘苦系のスパイスの香りなどの様々な要素が、タレのニュアンスと合うからだという。



旨みと油脂分がたっぷりある塩味の手羽には、豊かなボリューム感と豊富な旨みを感じる白ワインを合わせて

一方、塩味は素材感が明確に出るので、淡白な鶏肉には白ワインを合わせるのが正解。

「基本のソーヴィニョン・ブランは線が細いものが多いのですが、このワインはぶどうを遅摘みし、ナチュラルにワインを仕上げることで、豊かなボリューム感と豊富な旨みが加わっているのが特徴です。ソーヴィニョン・ブラン特有の酸もあり、手羽のボリュームに負けずに脂質を中和します」。また、添えられたレモンとソーヴィニョン・ブランの酸がさらに同調を高めるという。

この法則を頭に入れておくだけで、焼き鳥店でのふたりのワイン選びがさらに楽しくなるはず!




ワインとともに味わいたいこっくりとしたタレが特徴
炭の香りをまとわせてワインとマリアージュ『喜鈴』

恵比寿


2016年1月にオープンしたこちらの『喜鈴』。

焼き師を名乗る店主の鈴木淳二さんは、焼き鳥の前は中華の料理人という経歴。そこで、中華料理の絶妙な火入れのセオリーを焼き鳥にも応用する。

また焼き鳥に炭火の燻香をまとわせることで、世界9カ国から幅広く選んだ約40種のワインとの相性をアップさせている。



恵比寿から徒歩1分、というアクセスの良さも魅力

左から、ワサビを乗せてレアに仕上げたささみの「さびやき」、皮付き胸肉のネギま「だき身」はどちらも塩で。

オイスターソースを隠し味にしたさらりとしたタレを使った「とろ肝」。さっぱりと塩なら白ワイン、こっくりとしたタレなら赤ワインを合わせたい。




左からつくね、レバー、シビレ、うめしそ、ねぎま。奥は燻製したスカモルツァチーズ。焼き鳥の専門店らしい大きめのポーションが特長
ワインと焼き鳥を楽しめる店といえば、ミシュランのビブグルマンにも認定された『床島』

三軒茶屋


食通もうなる飲食店が多い三軒茶屋でもひときわ有名な焼き鳥店『床島』は、通りから一本入った閑静な場所に一面ガラス張りのモダンな外観で涼やかに佇む。こだわりは肉の鮮度と焼きの技術。

食鳥処理事業許可証を持つご主人・床島正一さんが、フランスの血統の中から焼き鳥に合うよう改良した“床島ブランド”の鶏を、当日の朝店で捌いて、焼き場に立つ。

その肉質ゆえ味わいは抜群。舌の上でトロ〜ッととろける臭みゼロのレバーや、生後80日程度の若鶏からしか取れない希少なしびれ(胸腺)の濃い旨みに舌を巻かざるを得ない。



卵白をメレンゲ状に仕立てた卵かけごはん

一串を一品の料理と考えるため、一切れのサイズは大ぶり。それゆえ、皮の食感、中の肉の弾力、上質な肉質の味わいを口いっぱい頬張れる。

そして〆にいただきたいのが絶品の卵かけごはん。味付けには焼き鳥用と同じ秘伝ダレを使用。白身をメレンゲ状に泡立てているのは「〆にもサラッと召し上がっていただけるように」というアイデアから生まれた一品だ。



清潔感あふれる客席。コの字型カウンターのみの空間が潔い

オープンしてはや7年。当時はまだワインと一緒に焼き鳥がいただけるお店もなかった時代だったが、いまやデートにも焼き鳥が一般化。『床島』もビブグルマンに掲載され、押しも押されもせぬ有名店となった。

世田谷エリアでこの店を知らないなんてグルメとして失格だ。一度は足を運んで欲しい名店である。


女子が喜ぶワインが豊富な今ドキ焼き鳥店、続きます!



「ささみたぷなーど」(左)は、アンチョビ入りタプナードでフレンチな味わいに変化。「ズッキーニ」はラルドのせ。熟成した脂の旨みが野菜の瑞々しさを引き立てる
ワインとの距離を縮める魔法のようなひと手間『シノリ』

武蔵小山


焼き鳥とビストロ。一見、遠い関係のこのふたつが見事に融合しているのが『シノリ』だ。

フレンチ出身のシェフ山中良則さんは、炭火焼の面白さに魅せられて焼き鳥の世界へ。マダムでソムリエールの志乃さんと息もぴったりに、ワインと焼き鳥の楽しいマリアージュに出合わせてくれる。

フレンチ出身とあって繊細な炭火使いで仕上げる焼き鳥は、ハケでシェリービネガーをさっと塗ったり、仕上げに胡椒や柑橘系の香りをまとわせたりとひと手間をかける。

これは串の完成度を高めるという意味もあるが、テーブルごとに飲んでいるワインが違うので、焼き鳥がワインに近づくように味わいを変化させているのだ。



香ばしい皮付きの「ねぎま」。きれいな味わいだがコクを併せ持つヤン・ベルトランの「モルゴン」と

フレンチでは、ゲストが飲んでいるワインに合わせて、味わいを変えることがあるが、その手法に似ている。

「手をかけてあげれば、どの部位でも、どんなワインとも距離を近づけることができます」と山中さん。今回おすすめしているほんのり甘口のワインは、実は焼き鳥とは難しい組み合わせ。だが、『シノリ』だからできるマリアージュがあるとにっこり笑う。

焼き鳥だけでなく、炭火焼の黒板メニューもハズせない。ジビエの時期には山シギやイノシシ、グランドメニューではカモやハトなどが並ぶ。滋味深くナチュラルな味わいのものを中心にそろえたワインのセレクトも秀逸で、シノリの料理と一緒に味わえば至福の組み合わせとなる。



「ピジョン」(半身)のほか、ジビエの単品もそろう



他の焼き鳥店ではお目にかかることのできない豊富なメニューに、彼女も喜ぶこと間違いなし




「つなぎ」はハツモトの部分。クニュっとした食感と、噛みしめると血のニュアンスがある味わいが美味しい。コースより。トリュフが豪快にのった「トリュフと卵とじ」もワインを誘う
焼き鳥の世界をおし広げるプリフィクスコース『焼鳥今井』

外苑前


焼き鳥に限らず、メインディッシュにはバスクのキントア豚やボルドーのバザス牛などが並ぶところが新しい。冬には北海道産のエゾジカや天然のとらふぐの白子が登場するなど、季節ごとに楽しめる変化もある。

「最近は塊で肉を焼くのが面白くなって」と笑う今井さんは、焼き鳥を軸に自身が美味しいと思うスタイルへとどんどん足を踏み出している。塊で焼きあげる松風地鶏のもも肉は、串で焼く焼き鳥とはまた違った炭火焼の良さを味わえる。

ワイン好きで知られる今井さんがここ数年注目しているのはナチュラルな造りのワイン。「造り手の世界観が見えるところがいいですね」という。

職人気質の今井さんが築く、独特の焼き鳥の世界とこのワインたちが呼び合うのもうなずける。



「松風地鶏」はホルモン剤や抗生剤を使っていない良質な肉質。コース料理の追加の一例



カウンター10席のみの小じんまりとした店内は、しっぽりデートにぴったり


料亭出身の大将が手掛ける今ドキ焼き鳥店が登場!



手前は左から、コショウをふった「とっくり」、網脂で巻いた「あみレバ」、「ふりそで」。奥はタレ味の「月見つくね」
ワインに合うアレンジが焼き鳥を料理に高める『日本橋MITSU』

人形町


焼き鳥とオイスターをメインに、充実したワインリストを兼ね備えたワインバーのような焼き鳥専門店。

肉質の柔らかい阿波尾鶏の焼鳥はポーション大きめで、ワインとの相性を考えたアレンジが加えられる。

ソムリエがセレクトとするワインのほかにモルトやカクテルもありそろう。



食事後にはバーとしても寛いで行くカップルも多いのだとか

ワインに合うように調整されたタレは甘すぎずさらりと薄味。つくねはチーズソースもおおすすめ。

串、ワインとどちらも止まらなくなる危険な美味しさだ。




上は、薩摩シャモの西京焼き 菜の花、芽キャベツ添え。薩摩シャモのマスタードクリーム マッシュポテト添え、3種類のソースのつくね。下はバルサミコパールをのせたささみ、ボンジリ、砂肝。コースは2種類で¥4,900〜
モダンな皿で楽しむ焼き鳥懐石とカリフォルニアワイン『瀧口』

泉岳寺


ワインバーのようなスタイリッシュなインテリアの店内は長いカウンターが印象的だ。

大阪の料亭で10年修業を積んだ店主瀧口さんが手掛けるのは焼き鳥の懐石コース。

洋のテイストも取り入れたモダンな皿が次々と飛び出すコースと通なカリフォルニアワインとのマリアージュはありそうでなかった個性派。



パワフルなイメージの強いカリフォルニアワインだが、優しい味わいのワインもそろう