18日、上海市内の会場に和太鼓奏者、中国伝統の民楽奏者、ベリーダンサー、太極拳の継承者が集い、9月の中秋節に、家族・地域の人々はもちろん、国境を越えた仲間が集まり、団らんの時を過ごそうというイベントのトライアルイベントを行った。

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2016年6月18日、上海市内の会場に和太鼓奏者、中国伝統の民楽奏者、ベリーダンサー、太極拳の継承者が集い、文化交流会を行った。9月の中秋節に、家族・地域の人々はもちろん、国境を越えた仲間が集まり、団らんの時を過ごそうというイベントのトライアルイベントだ。

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発起人となったのは市内のインターナショナルスクールに勤務する日本人教員。「こんな時代だからこそ、家族や地域の関係を強め、さらには世界をつなげたい」「世界各地の伝統文化を子どもたちに体験させたい」という思いから提案した。陳氏太極拳養芯会がこの思いに賛同し、その輪は上海市内や日本国内で活躍する演者にも広まった。

冒頭を飾ったのは、琵琶奏者の王建人氏が組織した中国民楽の演奏家たち。海外での公演も含め、一線で活躍する彼らの琵琶、二胡、揚琴、古筝の一糸乱れぬ演奏は開会直後の会場の観客を惹きつけた。続いては上海で20年も活動する和太鼓奏者グループの「和響」。激しい打ち込み、それにともなう振動、奏者の勇壮な動きは見る者を体感的に魅了した。同会は欧米人も参加し、インターナショナルな雰囲気に花を添えた。

「目的は日中友好だけではない。アジアの文化をつなぐこと」と発起人は言う。その思いを受けて参加したのはベリーダンサーの紫帆氏と福林氏。紫帆氏は香川県に活動基盤をおき、教室を運営するだけではなく、地域の活性化にも貢献するプロダンサーだ。アラブ文化圏を代表するこのダンスに観客も身体を揺らしていた。

続いたのは二胡のソロ演奏。前述の楽団とは異なり、シンプルかつ透き通る音色が会場を包んだ。奏者の徐新華氏は日本人の学生も多く抱えるプロの奏者。そして、最後の演目は和太鼓と中国武術の共演。日中文化の融合を表現したこの演目は会場を圧倒した。太鼓の演奏による振動と掛け声、演武を行う塚本博信氏の動きは会場全体を揺さぶった。

開催に困難がなかったわけではない。会場が決まったのはイベント実施の2週間前。出演者は決まっていたものの、会場がない。それを救ってくれたのは、上海で生活している日本人コミュニティーだった。また、「思い」はあるものの、資金が足りているわけではない。

流行り言葉のように絆という言葉が使わるが、上海という国際都市に住む日本人と中国人、また日本に住む仲間たちの思いが、伝統文化という縦糸と絡んでいることを肌身に感じる。9月の本番では、多くの子どもたちに家族や地域、伝統の大切さを伝える機会を作り上げたい。その思いに共感してもらえる共催・演者をさらに募っている。(取材・執筆/TK)