By Open Grid Scheduler / Grid Engine

アメリカ・ニューヨークの上院で、Airbnbのような民泊サービスの営業活動を規制する法案が可決されました。インターネットが可能にした新しい宿泊業態の普及にストップをかける法案ということになるわけですが、特にIT関連業界からはこの動きを批判する声が挙がっています。

New York State Senate passes anti-Airbnb bill | TechCrunch

https://techcrunch.com/2016/06/17/airbnb-new-york-legislation/

Let Airbnb be: Keep alive an in-demand lodging service - NY Daily News

http://www.nydailynews.com/opinion/airbnb-alive-in-demand-lodging-service-article-1.2673994

ニューヨーク州の上院を通過した法案「A8704C」と「S6340A」は、ニューヨーク市の住居について定めた住宅集合法に違反する行為である「住居を短期滞在のために貸し出す」ことを目的とした広告をAirbnbなどに出稿することを違法とするもの。上院を通過した法案は最終段階となるニューヨーク州知事へと送られ、法案を受け取ったアンドリュー・クオモ州知事は、この法案に対して署名するか拒否権を行使するかの判断を行うことになります。

この法案が成立して施行されると、ニューヨークで30日以内の部屋レンタルをAirbnbなどに掲載した者に対し、1回目の違反では最高1000ドル(約10万円)、3回目には最高で7500ドル(約78万円)の罰金が科せられることになります。

議論の的になっている2つの法案の内容は、以下のリンク先で確認することができます。

NY State Assembly Bill A8704A

https://www.nysenate.gov/legislation/bills/2015/a8704/amendment/a

NY State Senate Bill S6340A

https://www.nysenate.gov/legislation/bills/2015/s6340/amendment/a

Airbnbでニューヨークの公共政策に関する責任者を務めるジョシュ・メルツァー氏はこの動きについて、「オールバニ(ニューヨーク州の州都)の議会が、3万人のニューヨーカーを破産、立ち退き、差し押さえの危機に陥れる土壇場ぎりぎりの取引きをホテル業界と行ったことは、失望させられたが驚きではありません」とTechCrunchへのインタビューで語っています。

世界の各地ではAirbnbのような民泊サービスについて一部を認可するなどの取り組みが進められる中、ニューヨーク州議会が厳しい判断を下したことについてメルツァー氏は、「はっきりさせておくと、この法案は何千人ものニューヨーカーを支払い困難な状況に陥れる悪しき法案といえます。世界中の何十という政府がホームシェアリング(民泊)をうまく規制する方法があることを示している中、ニューヨークもそれに倣う形でミドルクラス(中産階級)の市民を守ることを願っています」ともコメントしています。

いわば、メルツァー氏はニューヨーク州での法案通過を「時代遅れ」とも語るわけですが、同様にコンピューター関連などテック産業からはAirbnbを支持する声が挙がっています。

ベンチャーキャピタリストのフレッド・ウィルソン氏は「テックはニューヨークの経済にとって重要なものですが、ニューヨーク議会主流派と上院は最悪のアンチテック法案であるA8704CとS6340Aでこれをないものにしようとしています」と、法案を非難するツイートを投稿しています。





また、コンピューターサイエンティストで投資家のポール・グレアム氏は「ニューヨーク州上院はAirbnbを禁止する法案をひっそりと進めています。より民主的な判断を望む人は、議会にそれを伝えてください」と語るツイートを投稿。





映画「スティーブ・ジョブズ」でジョブズ役を演じ、自身もベンチャーキャピタリストとして成功を収めている俳優のアシュトン・カッチャー氏も、「テックはニューヨーク経済の未来といえますが、ニューヨーク議会主流派と上院は最悪のアンチテック法案A8704CとS6340Aでこれを葬り去ろうとしています」と、前出のウィルソン氏と同様のコメントをツイートしています。





Airbnbの調査によると、もしこの法案が実際に法制化されることになると、最大で3万1000人のニューヨーカーが立ち退きまたは差し押さえの危機に直面することになるとのこと。また、Airbnbに掲載されているニューヨークの物件の多くが住居あるいはアパートメントの全体をレンタルするものであるため、大部分が法案に抵触することになるためAirbnbのビジネスそのものにも大きなダメージを与えることになるとしています。