<全米オープン 最終日◇19日◇オークモント・カントリークラブ(7,257ヤード・パー70)>
 ペンシルベニア州にあるオークモントCCで開催された、海外男子メジャー「全米オープン」はダスティン・ジョンソン(米国)のメジャー初制覇で幕を閉じた。しかし、ラウンド中に罰打の可能性を通告するなどした5番ホールでの処置を巡って全米ゴルフ協会の判断が波紋を広げている。
問題の5番グリーンを動画で、動いた?動いてない?
 仮に1打差で終われば、悲劇が繰り返されるところだった。2010年の「全米プロゴルフ選手権」で1打差単独首位で迎えた最終ホールをボギーとしたジョンソンは、プレーオフに気持ちを切り替えた。しかし、バンカーと荒れ地の区別がつきにくいコースでクラブをバンカー内でつけていた(ソールした)ことがホールアウト後明らかになり、ペナルティを課されてプレーオフ進出を逃した。
 今大会もホールアウト後に1罰打が付加された。5番パー4でジョンソンがパーパットを打とうと構えた際に、ディンプル1つか2つ分。わずかにボールが動いた。プレーヤー自身がボールが動く原因を作った場合は1罰打を付加して、元の位置に戻してプレーしなければならないが、競技委員を呼んで確認した結果その場ではジョンソンに原因はないとされ競技を続行しパーをセーブした。
 しかし、映像を見ていた別の競技委員らがペナルティではないかと疑問を唱えたため、再協議。結果「動いた原因が不明」と裁定を覆し、ペナルティが課される可能性をジョンソンに12番で通告した。ホールアウト後に1罰打を付加し、5番はボギーとした。本来であればボールをもとに戻していないため“誤所からのプレー”のペナルティも課されることとなるが、こちらは競技委員が現場でその場からのプレーを指示したためペナルティは課されなかった。
 これに即座に反応したのが他のツアーメンバーだった。ローリー・マキロイ(北アイルランド)は「馬鹿げている。DJにペナルティなんてない。こんなゴミみたいなことはDJの頭からとりのぞくべきだ。USGAはアマチュアだ」と自身のツイッターで痛烈に批判。リッキー・ファウラー(米国)、ジョーダン・スピース(米国)らもジョンソンを擁護した。
 結果次第では大きな問題となりそうな1ストローク。だが、最後は力でねじ伏せた。優勝を争う面々が次々と脱落していく中、辛抱強くホールを重ねていく。16番では約2メートルのパーパットが残ったが、これをねじ込んでガッツポーズ。18番を迎えた時点で3打差。1打のペナルティも影響させない完勝劇で、今度こそメジャータイトルをしっかりとつかみとった。
 ジョンソンへの処分を保留にした全米ゴルフ協会(USGA)の裁定は今後議論を呼びそうだが、この日のゴルフが勝者にふさわしかったことは疑いようもない事実だ。タイガー・ウッズ(米国)のツイッターでのコメントがこの日のすべて。「素晴らしいゴルフをした。ルールの圧力も力ではねのけた。DJ、みんな、いい父の日を」。
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