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ヴイエムウェアは6月17日、Virtual SANを軸としたストレージ事業に関する説明会を開催した。

VMware ストレージ&アベイラビリティビジネスユニットのヤンビン・リー(Yanbing Li)シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーは、「仮想化が進展する一方で、ストレージはまだまだサイロ化されたままであり、新たなアプローチが求められている。それを具現化するのが、ハイパーコンバージド・インフラであり、業界標準のハードウェアの上で、費用対効果に優れたパフォーマンスを提供し、シンプルな環境を実現できるようになる」と語った。

ハイパーコンバージド・インフラを構成するのは、コンピューティング、ストレージ、ネットワークをつないで緊密に連携しながらソフトウェアスタックを管理するハイパーコンバージド・ソフトウェア、これらをx86による標準ハードウェアで動作させることができる環境である。ハイパーコンバージド・インフラを構成する同社の製品としては、コアになるハイバーバイザー「vSphere」、ローカルのアタッチドストレージを仮想化するソフトウェア「Virtual SAN」、管理を一元化できる「vCenter」などが挙がった。「VMwareでは、ハイパーコンバージド・インフラは、アプライアンスで提供するという考え方ではなく、ソフトウェアで生成されるアーキテクチャと位置づけている」という。

Virtual SANが企業に選択される理由として、vSphereによる統合されたソフトウェアスタック、100以上に上る既存インフラに対応する事前認定済みのVirtual SAN Ready Nodeの提供といったシンプル性のほか、ノード当たりのIOPSが10万以上、オールフラッシュ利用時のレスポンスタイムが1ミリ秒未満といったパフォーマンスの高さ、TCOを50%削減できることに加え、オールフラッシュ利用時の容量当たり1GB当たり1ドルというコスト優位性の実現、クラスタ当たり600万以上のIOPSをサポートし、さまざまなアプリや規模に対応できる点などが紹介された。

「Virtual SANが、vSphereでの最適なストレージ環境を実現できるという認識が広がってきたこと、それに加えて、競合との比較において、Virtual SANを選択する例が増えてきたことが見逃せない」(リー氏)

例えば、米国ジョージア州のFulton County Schoolsでは、Virtual SANによってアプリケーションのパフォーマンスを約90%向上。21台のサーバを3台に統合し、遅延を50ミリ秒から1ミリ秒にまで短縮できたという。また、米国マサチューセッツ州のBaystate Healthでは、Virtual SANによって、同等のストレージに比べて導入コストを半減し、運用コストを20〜30%削減したとのことだ。さらに、米国政府機関も、クラウドサービス提供用のHCI(ハイパーコンバージド・インフラ)プラットフォームとして、Virtual SANを採用。NASおよびSANの混在環境を一新し、設備投資コストを約33%削減したほか、TCOを約50%削減した模様だという。

そのほか、フォーチュン100社の1社であるヘルスケア企業では、1GB当たりのコストを7.50ドルから、1.74ドルへと4倍の効率化を図ったほか、米国の病院ではデータベースの応答時間を200ミリ秒から1ミリ秒未満に、州立大学ではVDIの起動時間を20分から1分未満に短縮した。さらに化学系企業では、DW/BIのクエリにかかる時間を15分から15秒へと大幅に短縮したという。

リー氏は、「世界的に有数な航空会社でも、課金および予約システムにVirtual SANを利用している。米国最大の小売企業でもすべてのITインフラにVirtual SANを採用した。あらゆる業種において、採用され始めている」と語った。

Virtual SANの受注額は前年比3倍と急成長を遂げているほか、年間予約ランレートで1億ドル以上の総受注額を獲得しており、「新規顧客数は四半期当たり500社以上。今では、2万以上のCPUに展開。現在、3500社以上の企業でVirtual SANを採用しており、これは業界最大の顧客数を誇る」という。

同社では、2014年3月にVirtual SAN 5.5を投入した後、2015年3月には同6.0、2015年9月には同6.1を投入。最新版となる2016年3月に発売した同6.2では、第4世代のVirtual SANとして、重複排除や圧縮、イレイジャーコーディング(RAID5/6)、パフォーマンスとキャパシティの監視などの機能強化により、エンタープライズクラスの能力を兼ね備えるようになった。

今春から投入しているVCE VxRail HCIアプライアンスはターンキーソリューションとして提供していくものであり、Virtual SAN Ready Nodeとともに、ユーザーの要求に合わせた形で提供する環境が整っていることも、リー氏は強調した。

最後に、リー氏は、「Virtual SANの次の進化は、vSphereの新たなリリースと同時に行うことになる。すでに、30%がオールフラッシュの活用になっているが、これはますます増加することになるだろう。次世代ハードウェアへの最適化を図ること、あらゆるvSphereのユースケースに対応していくこと、自動化、診断機能を進化させていくことなどを考えている」と述べた。

(大河原克行)