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シトリックスは6月17日、都内で同社の事業戦略および新製品説明会を開催し、セキュリティや運用管理性を向上した最新版「XenApp」と「XenDesktop」、NetScaler製品の最新ポートフォリオ、XenMobile、ShareFileの新機能を発表した。

○年次イベント「Citrix Synergy 2016」、MSとの協業

冒頭、米Citrix Systems ワールドワイドマーケティング カスタマーエンゲージメント バイスプレジデントのデイビッド・ジョーンズ氏は「われわれは、どのような業界でも使えるソリューションを揃えているが、特に官公庁、金融、医療・ヘルスケアの3つの業界に集中しており、われわれのトータルビジネスの65%を占めている。この3つの業界はセキュリティに対する要件が高い。ここ1〜2カ月で実施したことは製品ポートフォリオの合理化を図り、中核的な事業ではない分野は開発をストップ、もしくは売却し、中核的な製品のイノベーションへの開発を加速できたため、売り上げが拡大した」と述べた。

そのうえで、同氏は米ラスベガスで開催された年次イベント「Citrix Synergy 2016」について「テーマはデジタルトランスフォーメーションで、CEOが新たなビジョンを打ち出した。今後、われわれの考え方としてはシンプルなものを作っていくということであり、ビジョンの枠組みを設定した。3〜5年後の戦略として、セキュリティを中心に置き、その周りにクラウド、モバイル、IoT、ビッグデータ/アナリティクスを配置する。製品としてはアプリケーション、データ、ネットワーク、セキュリティが鍵となり、各分野のテクノロジーを統合し、サービスベースで展開していく」と今後の意気込みを語った。

また、マイクロソフトとの協業については「クラウド分野でAzureを戦略的なシトリックス製品展開のプラットフォームとし、さらにAzureを使いやすくする。また、Windows 10分野ではXenDesktopを使い、Windows 10の仮想デスクトップをクラウドサービスとしてAzureのみからユーザー利用できるようにする。そして、モバイル分野でマイクロソフトのEMS(Enterprise Mobility Suite)/IntuneにXenMobileとNetScalerを連携させる」と説明した。

○最新版の「Citrix XenApp 7.9」と「Citrix XenDesktop 7.9」

Citrix XenApp/XenDesktop 7.9では、エンドユーザーおよびIT管理者からのニーズに基づき、セキュリティ、ユーザーエクスペリエンス、運用管理性の向上を実現する新機能が搭載されている。セキュリティの向上ではフェデレーテッド認証サービスを導入し、契約社員や協力企業にセキュアなアクセスを提供するほか、M&Aやクラウド移行で必要となるActive Directoryドメインの統合を行うことができるという。これにより、Citrix NetScalerを通じSAMLベースのアイデンティティプロバイダーを統合し、ユーザーが各自の異なる認証基盤によるアカウントを維持しつつ、それらを利用してシングルサインオンによる認証を可能としている。

運用管理性の向上としてNutanixのAHV(Acropolis Hypervisor)への対応が挙げた。Citrix Studioから直接Machine Creation Services(MCS)を通じ、NutanixのAHV上で仮想マシンのプロビジョニングを可能とした。また、Citrix ReadyシンクライアントであるHDX Ready Pi(日本での発売は未定)に対応しているほか、イメージ管理を最適化するオプションとしてMachine Creation Services(MCS)を改良し、IOPSを最大で95%削減、共有ストレージコストを軽減したという。

ユーザーエクスペリエンスの向上ではIntel Iris Proグラフィックステクノロジーに対応し、特定グラフィックボードの追加なしに業務アプリケーションや3Dグラフィックのワークロードの性能を実現することに加え、Windows 10の仮想デスクトップ上で動作している業務アプリや3Dを多用するワークロードでHDX 3D Pro性能も実現する。物理PCでは、Remote PC AccessをWindows 10 Secure Bootに対応させ、ユーザーは個々の物理Windows 10デスクトップへのリモートアクセスをセキュアに行うことができるとしている。

○NetScaler製品の最新ポートフォリオとXenMobile、ShareFileの新機能

一方、NetScaler製品の最新ポートフォリオ、Citrix XenMobile、Citrix ShareFileの新機能を発表した。NetScaler製品ではファミリの製品ポートフォリオに新たにNetScaler Management and Analytics System(MAS)、NetScaler CPX、NetScaler SD-WAN Enterprise Editionの3つのソリューション発表した。

NetScaler MASは、アプリケーションデリバリーコントローラー(ADC)インフラストラクチャを管理するための、オーケストレーション、自動化、仮想化、分析用のプラットフォーム。ハイブリッドクラウドおよびマイクロサービスアプリケーションアーキテクチャ内で運用されるADCインフラストラクチャを管理する。

NetScaler CPXは、コンテナフォームファクターによるNetScaler ADC。従来型のNetScaler ADCと同一のコードベース上で構築されており、Linux上で動作し、Dockerコンテナとしてパッケージ化。アプリケーション開発者は、実務環境への移行に至るまでエンタープライズグレードのADCおよび負荷分散と同じ機能を使用し、プログラムを開発できる。システム内のほかのコンテナと同様に、Dockerコマンドラインを使用してプロビジョニングや導入を可能としている。

NetScaler SD-WANWAN最適化およびWAN仮想化ソリューションとして提供しているCitrix CloudBridgeの名称を変更した。NetScalerブランドの製品ポートフォリオの1つとして展開し、新たにシームレスな管理を統合した包括的なWANソリューションであるNetScaler SD-WAN Enterprise Editionを提供。

また、ShareFileはクラウド、オンプレミスおよびハイブリッドなどのITインフラストラクチャ上で実行可能な企業向けファイル同期および共有ソリューション。今回、IRM機能(Information Rights Management)を新たに搭載した。同機能は、1つのファイルがShareFileシステムから保護されていないデバイスやUSBデバイスへのコピー、メール添付、そのほかのファイル共有システムへと送信された場合でも、ShareFileのデータセキュリティで保護される。

さらに、XenMobile 10.3.5(5月初旬から提供開始)は、新しい標準アプリケーションとなる「Secure Forms」を公開し、コードの書き足しなど行わずに従来の用紙フォームをモバイルミニアプリに書き換えることができ、特定のプロセスを容易にデジタル化することも可能だという。

新製品群の説明を行ったシトリックス・システムズ・ジャパン シニアプロダクトソリューション推進マネージャーの竹内裕治氏は「現在、われわれの製品群は互いに連携しながら使えるが、今後はより製品間の連携を深める。つまり、シームレスに違和感なく、さまざまな機能を使いこなせるように、製品を進化させていく。そして、アプリケーション、データをセキュアに配信するための最適に統合されたテクノロジとサービスを提供する」と説明した。

(岩井 健太)