<全米オープン 最終日◇19日◇オークモント・カントリークラブ(7,257ヤード・パー70)>
 世界最高峰の舞台で宮里優作が、また踊った。第2ラウンドの18番ホールで約188ヤードのセカンドを左サイドからのフェードボールで放り込んで、趣味にする葉巻の師匠と仰ぐミゲル・アンヘル・ヒメネス(スペイン)を真似たダンスを披露して喝さいを浴びたのはつい前日。この日の最終ラウンド14番でもセカンドを直接放り込むイーグルを奪った。この日は1イーグル・1バーディ・5ボギー・1ダブルボギーの“74”でトータル7オーバーの23位タイでフィニッシュした。
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 「8番のダボから流れを悪くした」と3つスコアを落として迎えた14番だった。約160ヤードのセカンドは「もう少し右に打ちたかった」と不安げに見送ったが、ボールはピンハイに落ちるとスピンで方向を変えて左サイドのカップにおさまった。
 宮里の位置からは見えなかったものの、杉澤伸章キャディからカップインを伝えられると、さあ、ダンスタイム。クラブを腰の鞘に納めると、お尻を振り、手を前後に回しながらバックステップ。前日よりは少し控えめだったが、前日には“本家”のダンスを動画サイトでチェックしており、「クオリティちょっと上がったね。肩の動きを取り入れたから」と確かな成長?も実感した。
 だが、この一撃をスコアにつなげられなかったのが口惜しい。「そのあとがもったいない。粘って終わりたかったというのが本音」。15番、16番はイーグルを帳消しになる連続ボギー。課題としたドライバーに復調傾向が見られたのは収穫だが、生命線のアイアンショットがこの日は左にブレるミスを頻発。「右を見て打っても左に行く。足が疲れてキックが効いていない」。前日には1日36ホールを消化。自信があったという体力はいつの間にか限界に近付いていた。
 それでも初の全米オープンで、存分に見せ場を作りながら4日間を完走。多くの後押しもあった。練習ラウンドを共にした松山英樹が予選で姿を消したことも「英樹が一番悔しいと思う。僕らがやるしかない」と奮い立つ要因となった。誕生日のこの日はスタート前に宮里3兄妹のグループLINEで妹の藍とバースデーメッセージを交換し激励も受けた。途中からは兄・聖志も参加して「意味のないスタンプ攻撃(笑)」。そんな時間も確かに力となっていた。
 36歳の1年も「あまり変わらない」という。だが、その両肩にかかるものは大きい。「メリハリのある年にしたい。やれることをしっかりやっていこうと思う。それがゴルフでも生活でも、家族のために何ができるか、ツアーのために何ができるか。全体的に考えていきたい」。体に充満する疲労感は西日に溶けようとしていた。

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