30代から増え始めるといわれる乳がん。先日、フリーアナウンサーの小林麻央さんが乳がんで闘病中だったことが明らかになり、Suits世代にもショックを与えました。

乳がんは「自分で触って気がつくことができる唯一のがん」と言われます。セルフチェックで「しこり」を触ることができるからです。それにしても「しこり」って何でしょうか? 触るとどんな感じ? そもそも乳がんってどうしてなるの? 女性なら絶対知らないといけない“ミニマム・ザ・乳がん”をまとめました。

乳がんに気づくとき

セルフチェックのポイントは3点あります。

1.触ってわかる「しこり」とは?

乳がんの「しこり」とは、すなわち、がんの腫瘍のこと。乳がんが進行すると腫瘍が大きくなっていくので、やがて外から触ってもわかるようになります。

大きさや硬さは、人によっても、時期によってもさまざまです。触ってわかるしこりの大きさは直径1〜2センチ程度。しこりの位置にもよりますが、一般的には乳房が大きいほどわかりにくく、小さいほうがわかりやすいと言われます。感触は「硬い石のような感じ」と表現されることが多いです。これも人によって、症状によって異なり、断定はできません。

2.乳房の皮膚と乳頭からの分泌液に注意

腫瘍が乳房の皮膚に近いところまで来ると、見た目にも変化が現れます。エクボのようなひきつれが見られたり、乳頭や乳輪部分に湿疹、ただれ、むくみなどが生じたりします。赤っぽく腫れることもあります。また、乳頭の先から血の混じった液が分泌されることもあります。セルフチェックは触るだけでなく、乳房の形や色、分泌物にも注意が必要です。

3.乳房周辺と脇の下もチェック

セルフチェックは乳房のふくらみだけでなく、そのまわり、脇の下も行ないます。脇の下のリンパ節は、乳がんが転移しやすいところです。本来なら凹んでいるところですが、転移していると、しこりが感じられたり、腫れたりします。また、リンパ節が腫れることでリンパ液の流れが悪くなって、腕がしびれたり、むくんだりもします。

 気をつけてほしいのが、しこり=乳がんではないということ。しこりらしきものを発見したからといって、あわてないでください。乳腺症や線維腺腫など、良性のケースが多いからです。ただ、これまでにない異常を感じたら専門医に診てもらいましょう。専門は「乳腺外科」です。

 

乳がんの検査方法〜〜3つの方法

 次に病院での検査。乳がんかどうか、調べる方法は3つあります。

 1.触診 

医師が乳房に直接触れて調べます。わかるのは直径1センチぐらいのしこり。乳房のひきつれ、脇の下のリンパ節の腫れ、乳頭からの分泌物も調べます。

 2.エコー(超音波)

超音波を使って乳房内を映像化します。触診ではわからないしこりが見つかる可能性があります。

3.マンモグラフィ 

乳房をレントゲン器機にはさんで撮影します。直径5ミリ程度のしこり、石灰化の有無を調べることができます。

ここでも注意点は、石灰化=乳がんではないことです。石灰化のほとんどはがんとは関係ない良性です。マンモグラフィで発見される石灰化には「乳腺症」が多いのです。また、乳腺症ががんに進行することはありません。

乳がんになりやすい人の特徴

乳がんの発生には、女性ホルモンのエストロゲンが深く関わっています。妊娠、出産、授乳をはじめ、女性にとってなくてはならないエストロゲンですが、これに接する期間が長いほど、乳がんリスクが高まるとされています。

このことから、乳がんになりやすい人の特徴として、1)初潮が早い 2)閉経が遅い 3)妊娠経験がない、の3つがあげられます。

出産経験のある女性のほうが、乳がんリスクが下がる傾向がありますが、これは妊娠中、エストロゲンの濃度が下がるためです。昔の女性は何人も出産していましたが、最近は出産しても1〜2人の女性が多く、その分、エストロゲンにさらされる時期も長くなっているわけです。

遺伝性のものもあります。乳がんリスクの高い遺伝子を持つとして、女優のアンジェリーナ・ジョリーが乳房につづき卵巣切除したニュースはまだ記憶に新しいところ。ただし日本人の場合、遺伝性乳がんはごく少数にとどまります。母と娘が乳がんになったからといって遺伝性であるケースはまれです。

 乳がんは女性にとってもっとも身近ながん。近年、罹患率が高まっています。それに伴って、乳がんによる死亡が増えているような言説も聞かれますが、実際にはグラフのとおり、ここ50年、20代〜30代の死亡率に大きな変化はありません。むやみにおそれず、まずはセルフチェックしてみましょう。

乳がん 年齢階級別 死亡率 年次推移 資料/国立がん研究センターがん対策情報センター