まりぶが逮捕されるという衝撃の展開からスタートした「ゆとりですがなにか」(日本テレビ系、毎週日曜22:30〜)第9話。


まりぶの逮捕で家族がひとつに


客引き行為による逮捕でなんであんなにたくさんの報道陣がいるのか、テレビのニュースに取り上げられるのかは謎だが、とにかく逮捕されたまりぶ(柳楽優弥)をなんとかしようと坂間(岡田将生)、山路(松坂桃李)はまりぶの父親である麻生(吉田鋼太郎)とともに弁護士に会う。それがまりぶの異母兄・政伸(平山浩行)だ。
まりぶのコンプレックスの源である兄と、そして「多摩美人」として「鳥の民」にずっとポスターが貼ってあった、かつて朝ドラ「かっぽれちゃん」の主演を務めたというまりぶの母の存在が9話にして登場することとなる。
このポスター、たしか第1回からずっとここに貼ってあった。9話にしてまさか物語にからんでくるとは!

政伸に対し「まりぶはずっとまとも」「正論しか言ってない」「あとおっぱい」と話す坂間と山路。政伸にまりぶとの関係を問われ、ここで友達ではなく「ぼったくりの被害者です」と言うその言葉こそ、友達だから言えることなのかもしれない。
そのまりぶは、担当弁護士として留置所に面会に来た兄と殴り合い、保釈されたあとには「自業自得」と言いかけながらも「そんなことを言える資格はない」と言い淀む父親に「じゃあ他に誰が言うんだよ!」「親なら親らしくしろ」と殴りかかる。急に目の前で暴力がはじまり、止めようとする入国管理局の人を「民事ですから」と止める兄。家族同士、拳を交わしてなんとなくおさまるところにおさまった。
坂間と茜ちゃん(安藤サクラ)のためにみんなが集まった「鳥の民」にやってきたまりぶたち。ここにきてまりぶの家族が全員揃った(母親はポスターだけど)。まりぶがいつものように「焼き鳥2本とビール1杯」で去り、麻生がそれを追ったあともなぜか初対面だらけの人の場所にずっと残って飲んでいる政伸は、根はいいやつなのかもしれない。

やっぱり一人だけちょっとほのぼのする山路


山路はといえば、元実習生の佐倉(吉岡里帆)が同僚の教師である円山(加藤諒)と親密になっていることを知り、円山を問いただす。そこでかわいこぶって女子に近づく「ファッション童貞がいちばん許せない」と責めるも、「童貞じゃねえぜ、女知ってるぜえ? 初体験16だぜ?」と言われ、ショックを受ける。

坂間は茜ちゃんと結婚して仕事を辞め、兄とともに店を継いでどう生きていくか。まりぶは妻と子供が入国管理局から逃げたせいで行方不明の状態で、一旦真面目に生きるも道を外れて逮捕までされてしまい、どう人生を立て直すのか、という問題が最終回に向けて残されている。山路は性教育の時間をどう乗り越えるのか、それと司会を任された坂間の結婚式とが同じ週末に重なるという問題が。
やっぱりどうにも山路だけややシリアスさに欠けていて(いや、本人にとってはとても重要なことなのだろうが)、だからこそ愛おしい存在だ。

早川に「寿退社という言葉からもっとも遠いと思われてた茜くんが寿退社をします。思ってなくてもいいましょう、おめでとう!」と送り出された茜ちゃん。栄転するはずだった茜ちゃんのポジションの公認に、関西弁の女性が登場したのも、一瞬のシーンながらうまいと思わされた。「自分とは違うタイプの人がすっと入ってきて、自分のポジションがあっという間に埋められていく」のが、より際立つ感じがした。こちらも結婚に浮かれていた”マリッジピンク”が最終回に向けてブルーに変わりそうな匂いが生まれつつある。
そういえば結婚式の招待状が一瞬映ったとき、それが早川からの欠席の知らせだったが……。

ゆとり世代の3人の行く末はどこにたどり着くのか。いよいよ最終回は今夜!

(釣木文恵)