従来の詰め込み式教育から脱却すべく導入された「ゆとり教育」。しかし、その失敗が指摘され、日本政府はついに先月「ゆとり教育」からの決別を明確に打ち出した。中国メディア・新華網は16日「なぜ日本は『ゆとり教育』と決別することになったのか」とする記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 従来の詰め込み式教育から脱却すべく導入された「ゆとり教育」。しかし、その失敗が指摘され、日本政府はついに先月「ゆとり教育」からの決別を明確に打ち出した。中国メディア・新華網は16日「なぜ日本は『ゆとり教育』と決別することになったのか」とする記事を掲載した。

 記事は、日本では数十年におよぶ詰め込み式教育を経て、その弊害について反省し、より学生の心身の健康や総合能力を重視した教育方法へと転換する試みが行われたとし、それがいわゆる「ゆとり教育」だったと説明。広義では1980年代から、狭義では2002年からスタートしたこの教育方針では、教科書の知識を享受する時間が減らされ、代わりに「総合学習」の時間が増やされたと紹介した。

 しかし、出身校のブランドが重視される社会風潮は変わらず、学習塾が競争の「戦場」と化してしまい、「ゆとり教育」は結局「ゆとり」を生むことはなかったと解説した。

 また、国際的な学習能力調査の結果、「ゆとり教育」実施中の日本人学生の数学的思考や読解能力ランキングが大幅に下降したとのデータがでたことで、「ゆとり教育」が批判のやり玉にあげられたと紹介。「ゆとり世代」は差別的な意味合いを含めた言葉に変化し、その世代の人びとを大いに傷つけることとなったとしている。

 一方で、調査結果は取るに足りないものであり、日本は「ゆとり教育」に対して自信を持ち続けるべきだと訴える人もいたと説明。しかし社会の「ゆとり教育」に対する風当たりは強く、文部科学省もこの教育方針を否定する姿勢に変わったことで、「ゆとり教育」は失敗というイメージが根付いたと伝えた。

 記事は、「実際は、文部科学省が国民に『ゆとり教育』のそもそもの目的をちゃんと説明していなかったことが問題であり、終始しっかりやっていれば、現在のような批判の声は形成されなかった」との意見も出ていることを併せて紹介した。

 近年、日本では「ゆとり」という言葉がネガティブな意味合いをもって用いられる場面が増えた。それはひとえに「ゆとり教育」の世間的な評判とその末路によるものと言える。ただ「ゆとり教育」の否定は、従来の詰め込み重視教育の肯定、復権とイコールではないはずだ。現代の社会に即した、バランスの取れた教育制度や教育方針の構築が求められている。

 中国メディアが日本の「ゆとり教育」に注目するのは、まさに自分たちが現在、教育に関する岐路に立たされているからである。従来の知識詰め込み型教育からどのような教育の形へを転換していくか、日本の取り組みや成果が彼らにとっては大きな参考となることだろう。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)