晴天の多い5月と暑い夏の間に待っているのは、梅雨の6月。
 「いわゆる“6月病”で来院される患者さんの中には、朝出勤するのが辛いと訴える方が大勢いらっしゃいます。これは梅雨のために日照時間が少なく、湿度も高く、いわゆる“不快指数”の高い時期であることも影響していると思われます。日光を浴びると自然に快く感じ、曇りや雨の日が続くと不快になるのは、みなさんも感覚的には分かるでしょう。医学的なメカニズムはまだ十分に解明されていませんが、日照時間の少ない北欧などでは、冬季うつ病の患者さんに対して『高照度光療法』という照明機械を用いて明るい光を一定時間、浴びる治療法も行われています」(同)

 気象庁の月毎の気象データによれば、2010年から'15年までの5月の平均日照時間は207.45時間。これに対し、6月の同期間の平均日照時間は132.85時間と、約75時間の差がある。
 連日の曇天による日照時間の少なさも手伝ってか、梅雨の時期に体調を崩したり、気分が優れない経験がある人も多いはず。

 「東洋医学では、梅雨の時期は“湿”が溜まりやすく、体調を崩しやすいため、湿邪と呼びます。湿が身体に溜まると、身体の重だるさや節々の痛み、さらに動きたくないといった症状が現れやすい。また気温が上がる季節なので、ついつい冷たい飲み物や食べ物を口にしてしまう。そのことで余計に身体が冷え、湿が溜まってしまい、状態が悪くなってしまう」
 こう指摘するのは、国内で数少ない最新の精神医学である「マインドフルネス」を実践する、東京マインドフルネスセンターセンター長で、ヨーガ講師、鍼灸師、あんまマッサージ指圧師の顔も持つ、長谷川洋介氏だ。

 そうは言っても、暑い季節にはキンキンに冷えたビールやアイスなどを欲してしまうもの。
 「湿は質が悪く、冷たい物を摂り過ぎると治るまでに時間がかかります。そのまま夏本番を迎えてしまうと夏風邪をひくことも考えられます。ですから、梅雨の時期の過ごし方は重要なんです」(同)

 冷たい飲食を控えた上で湿を溜めないために、自宅で気軽に出来る運動はあるのか。
 「湿が溜まると消化器官の動きが悪くなり、水分代謝が悪くなると考えられます。そこで、自宅で出来る運動として前屈をお勧めします。腿の裏が伸びているのを感じると思いますが、その意識をなるべくお腹に向けてあげること。また、この時期はどうしても猫背になってしまいがちですから、胸を開いてあげる運動もお勧めです」(同)

 気象庁のデータによると、沖縄や九州南部を除けば7月20日から31日くらいが平年の梅雨明け時期。つまり、これからの約1カ月間、冷たい物を極力口にせず、夏本番に向け普段の生活から気を付けたいものだ。

 最後に茅野医師は、梅雨の季節にメンタルヘルスにおいて心掛けることとして、(1)早寝早起、(2)最低6時間以上の十分な睡眠、(3)毎朝、日の光を30分以上浴び、(4)できるだけ徒歩により通勤する4点を挙げてくれた。