中国メディアの財新網はこのほど、米西部での高速鉄道建設に向けた米企業と中国企業との提携解消を受け、解消の経緯や今後の中国高速鉄道の輸出計画について考察する記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国メディアの財新網はこのほど、米西部での高速鉄道建設に向けた米企業と中国企業との提携解消を受け、解消の経緯や今後の中国高速鉄道の輸出計画について考察する記事を掲載した。

 記事はまず、米企業が提携打ち切りを発表したのは「米政府が高速鉄道を米国内で生産することを求めている」ためと指摘する一方、中国企業が米ボストンの地下鉄車両を受注するなど、必ずしも「米国内で生産すること」という条件に合致しない案件も受注した過去があることを指摘し、「高速鉄道を米国内で生産することを、米政府が求めている」という理由で、米企業が提携解消を発表したことに不満を示した。

 記事は、中国高速鉄道の輸出が近年、相次いで問題に直面している理由を考察。まず最初に挙げたのは「国外に市場がない」ということだ。当然ながら、高速鉄道は建設や運営、維持管理に多額の費用がかかる。「現在世界中で日本の東海道新幹線だけが唯一の例外」として成功しているが、日本のように人口の密集した地域は少なく、初期投資が莫大で、黒字化が容易ではない高速鉄道輸出はもとから簡単なことではないと説明した。

 さらにに「政治的リスク」も高速鉄道輸出を困難にしている要因として挙げている。中国は以前、メキシコで高速鉄道建設を受注したが、後にメキシコ政府が取り消しを発表。タイにおいても政変をきっかけに、中国の資金提供については拒絶されることになってしまった。

 今回の米国での計画は、高速鉄道輸出の「成功例」として大々的に宣伝する報道も多かっただけに、中国としてはショックは大きいようだ。中国高速鉄道の建設が各国でスムーズに行われていないことを考えると、今回の計画中止もある意味で自然とも思えるが、中国国内における高速鉄道のさらなる整備計画を打ち出した13次5カ年計画についても記事は、「巨額の債務と過剰生産能力をもたらす」として、見なおすべきではないかと主張している。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)