引っ越す時、部屋のクリーニング代は払うべき?ダマされない6つのコツ
【賃貸物件トラブルの対処法 第2回】

 前回は、賃貸トラブルに発展しないように、不動産会社の選び方をご紹介しました。今回は、「契約」についてです。

 ここで、注意すべきことがたくさんあります。とくに「清掃費・クリーニング代」は、通常、借り主が払うべきものではありません。交渉をするのも手ですが、あまり誠意のある大家さんや管理会社ではない可能性も……。

 前回に引き続き、賃貸住宅の専門家で不動産コンサルタントの尾浦英香さんと、司法書士の太田垣章子さんに、「賃貸契約書の見方」を聞きました。

◆書類には「契約書」と「重要事項説明書」がある

「契約時に渡される書類は『重要事項説明書』と『賃貸借契約書』があります。『重要事項説明書』は、それがどんな建物で、どんな設備があるかなどが書いてあります。『賃貸借契約書』は、借りるときの決め事ですね」(太田垣さん)

◆特約事項に注意する

「特に注意すべきなのは『特約事項』です。『契約書』に記載されている場合もあれば、『重要事項説明書』に記載されている場合もあります。契約書には大まかなことしか書いてありませんが、特約には『ペット可か』『クリーニング費用は借り主持ちか』など細かな条件が書いてあります。

 ここだけでもしっかり読んで、不当な請求をされていないかチェックして下さい。」(太田垣さん)

◆退去時のクリーニング代は交渉するべき

「ファミリータイプの物件は広い分だけ修繕費がかさむので、借り主に負担いただくことも多いのですが、単身者用の物件はそもそも家賃の平米単価が高い上、修繕費用も膨大にはなりません。綺麗に使っていれば、多少の汚れを落とす清掃代くらいは家賃に含まれます。

東京都のガイドラインでは、『原状回復の費用の負担は、破損部分の補修工事に必要な施行の最小単位に限定』とあります。特約事項に清掃代やクリーニング代などの修繕費が記載されている場合は、交渉しましょう」(尾浦さん)

◆できれば入金前に契約書を見る。入金後でも返金可

「本来、契約は契約書を見てから決めるものですが、賃貸の場合は契約を決めた後に契約書を見るというおかしな慣習があります。契約前に『契約書を』と言っても見せてもらえないことが多いでしょう。

 ですが、契約書を見た後で『やめる』と言うことも可能です。前金などを支払った後でも契約解除すれば返金されます。契約書はじっくり読んで条件を確認してください。自分ひとりでわからない場合は、誰かに読んでもらうのもよいでしょう」(尾浦さん)

◆室内の写真を撮って管理会社に送っておく

「契約時に、室内の写真を撮っておくべきとはよく言われますね。それだけではなく、気になる部分の画像は管理会社に送っておきましょう」(尾浦さん)

◆誰かについてきてもらってもいい

「不動産業界はまだまだ昔ながらの男性社会です。女性一人の契約だと、舐められることもあるかもしれません。不動産や賃貸に詳しいお友達や、コンサルタントなどについてきてもらうと安心かもしれません」(太田垣さん)

【尾浦英香さん】
株式会社エクセルイブ代表取締役(http://exceleve.jp/)。大家さん向けのセミナーや、コンサルティング業務を行う。日本で唯一の女性不動産コンサルタント。著書に『スゴい賃貸経営のツボ』、『満室大家さん ガラガラ大家さん』。

【太田垣章子さん】
章(あや)司法書士法人(http://www.ohtagaki.jp/)代表社員。平成14年から賃貸トラブルを専門とし、延べ2000件以上の案件に携わる。賃貸住宅新聞にコラムを8年連載中。共著に『相続税・消費税増税!勉強しないと資産はなくなります』、『相続税増税!方法によってはもっと下がる相続税』、著書に『離婚家庭の子どもの気持ち』。

<TEXT/和久井香菜子>