子を否定すると親の前で本性を出せなくなる

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わが子の本当の姿を知らず、”自慢の子ども!”とばかりに鼻高々で学校内を闊歩する…そんな親の態度に、イライラを募らせるママもいるのでは? そこで、「心がラクになる子育て」(PHP文庫)の著者で、“保育士おとーちゃん”として、子育てカウンセリングを行う須賀義一氏を取材。近年増加の傾向をたどる“わが子の本当の姿を知らない親”の特徴、そしてチェックリストを挙げてもらった。

●否定され続けることで子は親に本当の姿を出せなくなる

【こんな親は要注意!あなたは子の本当の姿を知らないかも?】

1.嘘をついてはいけない、ルールは守らなければいけないという厳格さを漂わせている。

2.“隠しごとをしてはいけない”と強く求める。

3.言いつけを守る、親に従うことが当たり前だと思っている。

4.挨拶を何が何でもさせようとする(できないことを無理にさせる)。

5.笑顔がない。

6.子どもの人生は親が御膳立するべきだと考えている。

「5以外は“常識的なこと“とも言えるのですが、これが極度に当てはまる方は注意が必要かもしれません。いくつか当てはまるお母さんは、注意が必要ですね。子どもは、親にありのままを受け止められ、“あなたは大事だよ”“そのままでいいんだよ”と自分の存在そのものを肯定されることで、生きるモチベーションへとつなげていきます。特に4番は、親的には“社会的なマナーを身につけさせたい”と願うかもしれませんが、あまりにも行き過ぎると、その子自体の個性を否定することにもなります。引っ込み思案な子もいれば、叱ってもできない子もいる。そこで親が“何が何でも!”と強制すると、“そういうお前を受け容れないよ”というメッセージになり、その子自身“僕はこのままでいてはいけないんだ…”と存在自体を否定されたような気になってしまう。この傾向が続くことで、子どもは親に対して“本来の自分”を出せなくなってしまうのです」(須賀氏 以下同)

3番が当てはまるママも多そうだが…。

「この“当たり前”が、子どもにとってはとても厳しいプレッシャーになるんですね。“当たり前”って、“ありがとう”の対義語なんですよ。お手伝いをするのが当たり前、100点取るのが当たり前になると、子はとてもつらい。本来、親に肯定されてエネルギーをためなければならない幼少期から、親に“頑張り”を要求されるので、必要なエネルギーを食いつぶしてしまうんですね。結果、生きるエネルギーが満たされないまま大人になってしまう。厳格な親は、子の正しくないところばかりに目がいき、減点法の子育てになりがちです。でも子どもは、親が大好きだから、何とか自分を殺してその期待に応えようとする。結果、本来の自分をどこにも出せず、生きるエネルギーを消費してしまい、思春期に入って引きこもりやリストカットに走る子もいます」

「核家族が主流になった今、厳格さを問われる昔の育児はそぐわない」と須賀氏は語る。

「サザエさんに例えるとしたら、イタズラしたカツオくんを“バカもーん!”と怒鳴る厳格な波平さんがいたとしても、舟さんやマスオさんなど、叱られたカツオくんをしっかりと受容する家族がいますよね。このバランス感覚が、核家族だと非常にとりにくい。決して厳格な親がいけないのではなく、何事もバランスなのです。両親ともに、正しいことを求めてしまうととてもリスキーな子育てになってしまう。子どもは成長の過渡期にあります。正しくなくても失敗してもいいんです! 場合によっては、悪いことをしても、何かのサインだと受け止めて断罪せず、1歩引いて、自分がどんなことをわが子に要求してきたかを振り返ってほしい。子どもに、まず“どうしたの?”と聞いてあげて下さい。もっと、お子さんのありのままの姿を受け容れられる気楽な育児を楽しみましょう」

子どもが望むのは、何より“機嫌がいい母親”だという。正しさを追求する減点法の子育てはNG。日々大らかな気持ちで接していれば、“わが子の自然な姿”は必ず見えてくるはずだ。

(取材・文/ワタベマキ)