相変わらず注目度の高いSIMフリースマートフォン。価格.comマガジンでは、すでに春モデル10機種を紹介しているが、ここでは、2016年3月下旬以降に発売された夏モデル12機種について、その概要やユニークな特徴、対応するLTEおよび3Gの対応バンドなどを紹介しよう。

2万円台前半で、指紋認証センサー搭載!
ZTE「Blade V7Lite」

近ごろのAndroidスマートフォンでは、セキュリティ保護として指紋認証機能を搭載しているものが増えている。だが、価格競争のシビアなSIMフリー機では、せいぜい、3万円クラスの製品からでないと搭載モデルがなかった。そんな中で登場した「Blade V7Lite」は、本体価格21,800円(税別)ながら指紋認証センサーを搭載した製品として注目を集めている。

「Blade V7Lite」は、720×1280のHD表示に対応した約5.0インチの液晶ディスプレイを備え、ボディサイズは、約70.2(幅)×143.8(高さ)×7.9(厚さ) mm、重量は約135gとなっている。同時に発表された「Blade E01」よりも20gも軽く仕上がっている。

主要スペックは、MediaTekのクアッドコアCPU「MTK6735P(1.0GHz)」を採用し、2GBのRAMと、16GBのROMを組み合わせている。動作OSはAndroid 6.0だ。なお、microSDメモリーカードスロットは32GBまで対応のSDHC仕様となる。

対応バンドは、LTEがB1/3/5/8/19、W-CDMAがB1/6/8/19。カメラ性能は、メインカメラ、サブカメラともに約800万画素。サブカメラにもフラッシュが搭載されているため、暗い場所での自撮りで威力を発揮しそうだ。

1万円台半ばで買えるエントリーモデル
ZTE「Blade E01」

ZTEのエントリーモデルとして、「BladeV7Lite」とともに登場したのが、この「Blade E01」だ。720×1280のHD表示に対応した約5.0インチ液晶ディプレイを採用し、ボディサイズは、約71(幅)×142.5(高さ)×7.8(厚さ) mm、重量約155gとなっている。ディスプレイのサイズと解像度は前出の「BladeV7Lite」と同じだが、重量はこちらのほうが重め。主要スペックは、CPUにMediaTekのクアッドコア「MT6735P(1.0GHz×4)」、RAMが1GB、ROMが8GBという組み合わせ。プリインストールされるOSは、Android 5.1となる。メモリーカードスロットは、32GBまで対応するmicroSDHC仕様だ。

メインカメラは約800万画素で、デュアルフラッシュを備えているので、自然な発色のフラッシュ撮影が行える。サブカメラは約500万画素だ。

LTEの対応バンドはB1/3/8/19、W-CDMAがB1/6/8/19。本体価格は14,800円(税別)だ。

ライカ監修の二眼カメラを搭載。キャリアアグリゲーションにも対応
ファーウェイ「HUAWEI P9」

今夏における、SIMフリースマートフォンの高性能モデルのひとつだ、この「HUAWEI P9」だ。ボディサイズは、約70.9(幅)×145(高さ)×6.95(厚さ)mm、重量は約144g、特に7mm以下というスリムボディは、かなり魅力的だ。搭載されるディスプレイは、1080×1920のフルHD表示に対応した約5.2インチのIPS液晶。曲面の2.5Dガラスとメタルのフレームの質感もよくで、高級感がある。

主要スペックも、高性能機らしい充実したもので、搭載されるCPUは、ファーウェイのグループ企業HiSilicon社製のオクタコアCPU「Kirin955(2.5GHz×4+1.8GHz×4)」に、3GBのRAM、32GBのROMを組み合わせている。OSはAndroid 6.0だ。増設用のmicroSDXCメモリーカードスロットは、128GBまで動作確認済みとなる。

搭載されるライカ監修の二眼のメインカメラにも注目だ。いずれも約1200万画素だが、片方のカメラがRGBのカラー、もう片方はモノクロ(グレースケール)専用というユニークな構成で、2個の画像を合成することで色彩と階調表現にすぐれた撮影が行える。

対応バンドは、LTEがB1/2/3/4/5/7/8/12/17/19/20/26/28/38/39/40 、W-CDMAの対応バンドは、B1/2/4/5/6/8/19と非常に多い。また、キャリアアグリゲーションに対応しており、ダウンロード時で最大262.5Mbpsの通信が行える。市場想定価格は、59,800円(税別)。

フルHD液晶を搭載、エントリーモデルとは思えない実力派
ファーウェイ「HUAWEI P9 lite」

前出の「HUAWEI P9」と同時に発表されたエントリーモデル。ボディサイズは、約72.6(幅)×146.8(高さ)×7.5(厚さ)mm、重量は約147gで、搭載されるディスプレイは1080×1920のフルHD表示に対応した約5.2インチのIPS液晶となっている。スペック的には「HUAWEI P9」と近いが、横幅や厚みがあり、サイズはひと回り大きい。

主要スペックは、HiSilliconのオクタコアCPU「Kirin650 (2.0GHz×4+1.7GHz×4)」に、2GBのRAMと16GBのROMという組み合わせ。OSは、Android 6.0だ。増設用のmicroSDXCメモリカードスロットは、128GBまで動作確認が取れている。

本機ならではのポイントは、やはりカメラ機能だろう。メインカメラは有効画素数約1300万で、レンズもF値2.0の明るいものが使われている。マニュアル撮影機能など、エントリーモデルで省略されがちな機能もしっかり搭載されている。

対応バンドは、LTEがB1/3/5/7/8/19/28/40、W-CDMAがB1/5/6/8/19となっている。市場想定価格29,980円(税別)。

3GBのRAMを搭載!
キャセイトライテック「arp AS01M」

キャセイトライテックは、ビジネス向け通信機器を手がける中国系メーカー。日本国内で「arp」ブランドとしてスマートフォン事業をスタートした、その第1弾となるのが、この「arp AS01M」だ。ボディサイズは、約72.5(幅)×144(高さ)×7.65(厚さ)mm、重量は約130g。ディスプレイは720×1280のHD表示に対応した約5.0インチの液晶となる。搭載されるカメラは、メインカメラが約800万画素、サブカメラは約200万画素だ。

基本スペックで見ると、平凡な印象を受けるが、本機の魅力は、意外な部分にある。搭載されるCPUは、MediaTekのクアッドコア「MT6735P(1.0GHz)」で、3GBのRAMと、16GBのROMをそれぞれ搭載しているのだ。SIMフリースマートフォン3GBのRAMを搭載するものはまだ少なく、本機で採用されるAndroid 5.1は、メモリーの消費が多いため、この3GBの大容量RAMは、効果を発揮しそうだ。なお、microSDXCメモリーカードスロットは、128GBまで動作確認済みだ。

LTEの対応バンドはB1/3/19/41、W-CDMAでは、 B1/8/19にそれぞれ対応している。対応バンドは多くないが、国内で使う機会の多いNTTドコモ系ネットワークなら十分といえる。また、ソフトバンク系のSIMカードで利用できるAXGPのバンド41にもスペック上は対応している。直販価格は22,800円(税別)。

5.5インチディスプレイや32GBのROMを備えるWindows 10 Mobile機
キャセイトライテック「arp XC01Q」

キャセイトライテックのもう1台のモデル「arp XC01Q」は、「Windows 10 Mobile」に対応するWindowsスマホだ。720×1280のHD表示対応の約5.5インチ液晶ディスプレイを備えたボディは、約78.6(幅)×154.8(高さ)×7.6(厚さ)mm、重量は約137g。国内で正規販売されるWindows 10 Mobile機としては、比較的大きめのボディとなる。

処理性能をつかさどるCPUは、クアルコムの「Snapdragon 410(1.2GHz×4)」で、RAMは2GB、ROMは32GBと言う組み合わせ。64GBまで動作確認の取れたmicroSDXCメモリーカードスロットを備えており、ストレージの増設も可能となっている。主要スペックの注目点は、国内で正規販売されるWindows 10 Mobile機としては最大クラスとなる32GBのROMを備えている点。なお、インカメラには約1300万画素、サブカメラには約500万画素のイメージセンサーがそれぞれ使われている。

対応バンドは、LTEがB1/3/19、W-CDMAでは1/6/19という取り合わせで、対応バンド自体は多くないものの、NTTドコモのLTEとFOMAの主要バンドは押さえられており、国内で使う分にはあまり問題はなさそうだ。本体価格は29,800円(税別)。

オシャレなメタルボディは、カラバリも豊富
プラスワンマーケティング「SAMURAI REI」

FREETEL(プラスワンマーケティング)の豊富なSIMフリースマホのラインアップの中で、中核モデルとして位置づけられているのが、この「SAMURAI REI」だ。1080×1920のフルHD表示に対応した約5.2インチ液晶を備え、ボディサイズは、約71.5(幅)×145.8(高さ)×7.2(厚さ)mm、重量は約136gとなっている。本機のボディはアルミ合金製で、従来のFREETEL製スマートフォンとは一線を画する高い質感だ。また、メタルブラック、メタルシルバー、シャンパンゴールド、ピンクゴールド、スカイブルーという5色のカラーバリエーションを選べる点も、魅力を高めている。

本機ならではのポイントのひとつは、FREETEL独自のユーザーインターフェイス「FREETEL UI ver.1.0」の採用だ。これは、通常、画面上部に配置される通知メニューを画面下部に配置させたり、アプリの一覧画面を廃するなど、シンプルさと片手操作に注力したもの。もちろん、Android標準のユーザーインターフェイスも搭載されているので、自分にあったものを選ぶこともできる。

主要スペックは、MediaTekのオクタコアCPU「MT6753(1.3GHz×8)」に、2GBのRAM、32GBのROMを組み合わせている。OSは、Android 6.0。microSDXCメモリーカードは128GBまで動作確認が取れている。LTEの対応バンドはB1/3/7/8/19/20、W-CDMAの対応バンドはB1/6/8/19となっている。直販価格は29,900円(税別)。

SIMフリースマホの一面もある、注目の電話機能付きロボット
シャープ「RoBoHoN SR-01M-W」

シャープの音声通話機能付き人型ロボット「RoBoHoN」(ロボホン)は、基本的にはロボットなのだが、背面にQVGA表示に対応した2.0インチディスプレイを備えるほか、OSにAndroid 5.0(専用)を使用するなど、スマートフォンという一面も備えている。

「RoBoHon」の魅力は、クラウドサービスとAIを使ったコミュニケーション機能だ。ユーザーを認識し、会話も可能。音楽や言葉に合わせてダンスも披露してくれる。また、カメラ機能やプロジェクター機能も備えている。なお、Android用アプリについては動作対象外となっており、基本的には「RoBoHoN」専用のアプリを専用サイトからダウンロードして使うことになる。

主要スペックは、CPUがクアルコムの「Snapdragon 400」で、2GBのRAM、16GBのROMという構成。通信機能は、LTEのB1/3/19と、W-CDMAのB1/6/19の各バンドに対応。もちろんSIMロックはかかっていないので、シャープが提供するSIMカードに加えて、NTTドコモ系の格安SIMカードと組み合わせて使うこともできる。なお、「RoBoHoN」のAI機能を使うためには、クラウドサービス「ココロプラン」(月額980円〜)に加入する必要がある。本体格は198,000円(税別)。

手軽に使える!Windows 10 Mobile搭載ビジネススマホ
コヴィア・ネットワークス「BREEZ X5」

ラインアップの増えているWindows 10 Mobile搭載のスマートフォンは、Officeの搭載や、Windows主体の社内ネットワークとの親和性の高さから、ビジネスユースに適している。この「BREEZ X5」も、ビジネス向けの使用を想定したWindows 10 Mobile採用のスマートフォンだ。

サイズが、約72.1(幅)×144.2(高さ)×8.95(厚さ)mm、重量約148gというボディに、720×1280のHD表示に対応した約5.0インチの液晶ディスプレイを搭載。CPUは、クアルコムのエントリー向けクアッドコアCPU「Snapdragon 210 MSM8909(1.1GHz)」に、1GBのRAM、8GBのROM、32GBまで対応するmicroSDHCメモリーカードを備える。通信機能ではLTEのB1/3/19、W-CDMAの1/6/19の各バンドに対応する。直販価格は26,780円(税込み)。

ファーウェイ製SIMフリースマホのエントリーモデル
ファーウェイ「HUAWEI Y6」

豊富なラインアップを誇るファーウェイのSIMフリースマホのボトムを受け持つのが、この「HUAWEI Y6」だ。720×1280のHD表示に対応した約5.0インチのディスプレイを備えたボディは、サイズが約72.1(幅)×143.5(高さ)×8.5(厚さ)mm、重量は約155g。低価格モデルはスペックの割にボディが大きくなる傾向があるが、本機も同クラスの製品と比較すると少々ボディに厚みがある。

搭載されるCPUは、クアルコムのエントリー向けクアッドコア「Snapdragon 210(1.1GHz)」で、1GBのRAM、8GBのROMが搭載される。昨今のSIMフリースマートフォンとして見てもミニマムな性能だが、32GBまで対応するmicroSDHCメモリーカードスロットを備えており、ストレージの増設が可能。OSは、Android 5.1だ。

搭載されるカメラは、メインカメラが約800万画素、サブカメラは約200万画素。なお、メインカメラに組み合わされるレンズは、F値2.0でオートフォーカス対応、サブカメラはF値2.8の固定焦点となっている。特に、メインカメラは暗い場所で威力を発揮する大口径レンズを使用しているので、暗い場所での撮影にも期待が持てる。

通信機能だが、LTEの対応バンドがB1/3/5/7/8/19/28、W-CDMAの対応バンドがB1/5/6/8/19となっている。さすがに、上位モデルの「P9」シリーズよりも対応バンドは少ないが、NTTドコモ系のSIMカードなら十分な通話エリアとなっている。市場想定価格は15,980円。

Androidスマホとして生まれ変わったBlackBerrry
BlackBerry「BlackBerry PRIV」

BlackBerryがSIMフリーのAndroidスマホとして国内市場再参入を果たした。その新端末がこの「BlackBerry PRIV(プリブ)」である。そのボディは、1440×2560のWQHD表示に対応する5.43インチの曲面有機ELディスプレイや、ボディをスライドさせることで現れるQWERTYキーボードを搭載するなど、かなり凝ったものだ。ボディサイズは、約77.2(幅)×147(高さ)×9.4(厚さ)mmで、重量は約192gというかなりの大型だが、これはキーボード搭載のため。なお、キーボードを使う場合、高さが184mmまで伸びる。搭載されるカメラは、メインカメラが約1800万画素、サブカメラは約200万画素だ。

処理性能だが、ヘキサコアCPUのクアルコム「Snapdragon 808」(1.8GHz×2+1.44GHz×4)を使い、3GBのRAMと32GBのROM、2TBまで対応するmicroSDXCメモリーカードスロットを組み合わせている。OSはAndroid 5.1。処理性能は、今でも十分に高性能機として通じるものだ。

BlackBerry独自のサービスはアプリとして搭載されており、高機能なメッセージングサービス「BBM」、メールや、SNSの通知、電話の発信・着信履歴をまとめて管理できる「BlackBerry Hub」、セキュリティ監視アプリ「DTEK by BlackBerry」や、パスワード管理アプリ「Password Keeper」などがプリインストールされている。

通信機能では、LTEの対応バンドが1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/19/20/25/28/29/30/38/40/41と多く、NTTドコモの800MHz帯であるバンド 19に対応している点がグローバルモデルと異なっている。W-CDMAでは1/2/4/5/6/8に対応しており、バンド6でNTTドコモ のFOMAプラスエリアを、バンド8でソフトバンクのプラチナバンドを利用できる。直販価格は99,800円(税別)。

言わずと知れた超定番スマホのSIMフリー
アップル「iPhone SE」

各通信キャリアが販売するキャリア版モデルのほかに、アップルからSIMフリー版が登場している。なお、SIMロックの有無に違いがあるだけで、SIMフリー版は、キャリア版モデルとハードウェアやソフトウェアなどに大きな違いはない。640×1136表示に対応する4インチのRetinaディスプレイを備えた、ボディサイズは、約58.6(幅)×123.8(高さ)×7.6(厚さ)mm、重量は約113g。基本的には「iPhone 5」シリーズと共通のボディを採用している。

主要スペックは、最新の「iPhone 6s」と同じCPU「A9」+モーションコプロセッサーの「M9」という構成。RAMの容量は非公開だが、ROMは16GBと64GBから選ぶことができる。

対応バンドは、日本で販売されるモデル「A1723」では、LTEがB1/2/3/4/5/7/8/12/17/18/19/20/25/26/28/38/39/40/41、W-CDMAではB1/2/4/5/8にそれぞれ対応。なお、auの3Gネットワークで使用するCDMA2000方式にも対応している。本体価格は、47,800円(16GB)、59,800円(64GB、いずれも税別)。


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