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既報のとおり、Texas Instruments(TI)は車載用ブラシレスDCモーター向けドライバ製品を発表したが、それに併せて、TI半導体グループ上級主任名誉技師でオートモーティブ・システムズのゼネラルマネージャであるハインツ・ピーター・ベッケンマイヤー(Heinz-Peter Beckemeyer)氏が来日し、同社の車載向けソリューションの動向についての説明を行った。

言うまでもなく、現在、半導体分野において自動車は将来が期待されている市場の1つである。その理由としては、自動車のエレクトロニクス化が挙げられる。結果として、車載半導体の金額は1990年には1台当たりの平均で62ドル程度であったものが、2015年には309ドルまで増加。今後の電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)、自動運転などの進展により、さらに金額が上昇していくことが見込まれている。

同氏は、TIが車載半導体ビジネスをこれまでも、そしてこれからも続けていく理由として、「アナログ半導体から組み込みプロセッサといったデジタル半導体まで、自動車に必要とされるポートフォリオをフルレンジで有している」ということを挙げたほか、「サブシステムごとの各領域に対するシステムレベルの知識を有するエンジニアが多数おり、リファレンスデザインやソフトウェアも提供することで、設計開発の短縮などを図る手助けができる数少ない半導体企業」であるためとする。

また、「TIの研究機関であるKilby Lab(キルビーラボ)では、次世代製品の研究を進めているが、これまでの延長線上の研究だけでなく、次世代アーキテクチャや超低消費電力を実現する手法、処理能力を10倍向上させる技術といったレベルの検討も進められており、今後の自動車の進化を自らがリードしていく気概を有している。こうした背景もあり、我々は強い意志を持ち、自動車産業に対し、今後も最良な製品の提供を継続して行っていく」と、エレクトロニクス化が進む自動車を将来にわたってサポートしていくこともコミットメントしているとする。

そんな同社は現在、以下の5つの市場に注力しているという。

1. ADAS(先進運転支援システム)
2. パッシブセーフティ
3. トランスミッションの電子化が進むHEV/EV向けパワートレイン
4. ボディ関連。特にLEDマトリクス方式から、さらなる進化を目指すLEDライティング関連
5. インフォテイメント・クラスタ

こうした分野を中心に、自動車向けとして50以上のプロダクトライン(2000種類を超す製品ラインアップ)を展開しているほか、280を超すリファレンスデザインの提供も行っている、とのことで、単体の半導体製品のみならず、システムエンジニアリングのノウハウを活用することでシステム構築の支援を進めることで、顧客との関係性を強化していくという。

なお、同氏は、今後も魅力を感じてもらえるような製品の拡充を進めていくことで、自動車分野の中での伸びが期待されるこれら分野を中心に、低価格車両やハイエンド車両といった垣根を越えて、ニーズにマッチしたシステムの実現に向けた手助けをしていくことがこれからの成長のカギになると強調していた。

(小林行雄)