日本人にしてみれば、その声の大きさや威勢の良さから「いつもケンカしている」と思ってしまいがちな中国の人たち。実際そんなことはないのだが、一たび本当に口ゲンカとなると、感情のままに最大級の罵り言葉が飛び交うことになる。そんな彼らにとって、日本人の「口ゲンカ」はケンカの範疇には入らないようだ。(イメージ写真提供:123RF)

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 日本人にしてみれば、その声の大きさや威勢の良さから「いつもケンカしている」と思ってしまいがちな中国の人たち。実際そんなことはないのだが、一たび本当に口ゲンカとなると、感情のままに最大級の罵り言葉が飛び交うことになる。そんな彼らにとって、日本人の「口ゲンカ」はケンカの範疇には入らないようだ。

 中国メディア・光明網は14日、日本のあるドラマで「時代はお前を必要としていない」というネット上の批判を浴びたベテラン漫画家が執筆を止める決意をするというシーンがあったことを紹介、どうしてそんな一言で日本人は大いに傷ついてしまうのか、とする記事を掲載した。

 記事は、中国人であれば「時代が必要としていないから何なのだ、やろうがやるまいがお前には関係ないだろう」と思うに違いないとしたうえで、「日本人の心はそんなにデリケートなのか」と疑問を提起した。

 そして、日本人の罵り言葉は「バカ」、「アホ」、「死ね」くらいで、中国人にとっては「全然重くない」ものであること、日本では他人と口ゲンカする際の言葉が見つからないほか、ケンカする相手すら見つけることが難しいこと、さらに日本のゴロツキですらケンカの時には「死ね」程度の罵り言葉しか出てこないことを紹介した。

 記事は、その背景として日本の独特な言語習慣があり、普段から汚い言葉を使う人は周囲から教養がなく、一段低く見られる傾向があると説明。自分のステータスを言葉遣いで示そうとするため、そもそも汚い口ゲンカは起こらないし、仮に相手に口汚く罵られたとしても「こいつに付き合っては自分のステータスが下がる」と考えるのだと解説した。日本人は強烈な罵声を浴びることに慣れていないゆえ、一たび浴びると立ち直れないほど傷ついてしまう、というのが記事の論旨のようだ。

 映画「男はつらいよ」で主人公の寅さんが口にする名言に「それを言っちゃあおしまいよ」というものがある。言ってしまったらもはや修復が不可能になるという一線が日本人の心の中にはあって、一般的には口ゲンカになったとしても「決してそれは言うまい」という理性が働くのである。ただその理性は、相手の顔が見える口論の場ではしばしば働くが、互いに素性を知らないネット上では働かないことが多いように思える。

 日本人にしてみれば、ベテラン漫画家に対する「時代はお前を必要としていない」という言葉は、十分「それを言っちゃあおしまい」的な殺傷性を持っているように思えるが、中国の人から見れば大したことないという。これだから文化の違いは面白いと感じる一方で、相互理解の重要さを痛感するのである。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)