専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第59回

 ゴルフをやっていてよかったことって、いっぱいありますよね。

 まず、朝早起きをするから、健康的になります。ゆえに、体質が"夜型"から"朝型"に変わる人が多いです。

 さらに、社会的な"ゲーム"ですから、仲間や友だちが増えます。仕事絡みだと、接待要員として活躍し、出世の近道になるかも。

 他には、夫婦とか親子でプレーすることもあるので、家族サービスにもなります。だったらいっそ「旅行をしましょう!」となれば、いろいろなところにも行けます。それも、ゴルフのおかげです。

 そして、今回の"メインテーマ"、ゴルフをやっていてよかった最大のメリットは何か?

 それは、「自由を獲得できる」ことです。

 これは、主に妻帯者にオススメの話ですが、独身の方でも、家族や友だちにバレずにデートするには、ゴルフが恰好の"アリバイ作り"になります。つまり、自由度が増します。

 ではその際、具体的にはどういったことをすればいいのか。

 とある男性が、人知れずドライブデートを画策しているとします。彼女との待ち合わせは朝10時。そこでまず、周りには「ゴルフに行く」と言っているので、朝6時くらいには家を出なければなりません。途中、ファミレスなんかで時間を潰すのはお約束。あまりにも暇だったら、洗車をするのもいいですね。

 で、予定どおり朝10時に彼女と合流。一路、那須や日光方面へと車を走らせます。あとは、普通のデートを楽しみ、盛り上がったら、どこかで休憩してもよろしいかと。

 そうして、彼女を家に送り届けたら、楽しかったデートも終了。家に帰るのは、夜も9時を過ぎた頃でしょうか。そうしたら、「コンペのパーティーが盛り上がってさ」と言えば、何ら疑われることはありません。

「なんだ、そんなの楽勝じゃん!」と思われるでしょう。

 いえいえ、妻帯者であれば単に帰宅が遅いだけで、絶対に奥さんから怪しまれますから。重要なポイントはここからです。ゴルフをした"証拠の提出"が必要です。

 その証拠とは何か。

 スコアカードとコースの鉛筆、そしてゴルフ場の風呂場にあるビニール袋は必須です。いわゆる、ゴルフの"アリバイ3点セット"です。

 特に、風呂場にあるコース名が印字されたビニール袋が肝。これに、汚れた下着や靴下、ポロシャツなどを入れて洗濯かごに放り込んでおけば、完全犯罪が成立(?)ってなものです。

 じゃあ、そのアリバイ3点セットは、どうやって仕入れるのか。常日頃から、遠隔地やデートで利用しそうなエリアのゴルフ場に行ったら、スペアの3点セットを必ず入手しておくこと。これが、結構大切なことです。

 万一、手持ちがなかったとしたら、デート中にゴルフ場に寄る手はあります。彼女には、「今度、コンペがあってさ、ゴルフ場に寄ってパンフレットをもらってくる」と言えば、ものの5分で済む用事ですから。

 そのとき、用意周到な方はコースの売店で、コンペの賞品までわざわざ購入します。例えば、「栃木の自然薯(じねんじょ)」なんて書いてある包装紙で包まれたやつですね。しかも、『ドン・キホーテ』あたりで買っておいた「4位入賞」と書いてあるシールまで貼って、お土産にします。それで、「地元の自然薯だから旨いよ」とか言えば、奥さんもまんざら嫌な顔はしないでしょう。

 ただね、これだけ準備して「完璧!」と思い込んで、家に着くなり「あ〜、コンペ疲れたよぉ。パーティーが長くてさ」と言ったら、「あら、あなた、パーティーはいいけど、ゴルフはできたの? ゴルフバッグ、そこに置いていってあるわよ」と、奥さまが鋭い(?)ひと言。それでしどろもどろになって、"浮気"がバレた人がいますからね。キャディーバッグは、常に車のトランクの中に積んでおきましょう。

 半分冗談みたいなお話ですが、男性側としてみれば、すべての行動をゴルフ周辺の話にまとめてしまえば、何かと好都合なんです。

 比較的家族の理解がある人でも、「今日、キャバクラに行くから帰りが遅くなる」とか言えないじゃないですか。そういうときは、「ゴルフ仲間と飲み会があるんだ」って言えばいいわけでしょ。どうせ、キャバクラに行く連中はゴルフ仲間だから、あながち間違ってはいませんし......。

 地方の歓楽街に行けば、エキサイティングなお店に行くこともあるでしょう。とりわけ石鹸の匂いのするレジャー施設は、楽しい反面、リスクが高いわけです。それでも、「あなた、石鹸の匂いがするだけど」って奥さんに聞かれたら、何食わぬ顔で「ゴルフ場で風呂に入ってきたからさ」と言えば、何ら問題はありません。

 やましい石鹸の匂いも、フローラ石鹸の豊かな香りに変わるってなもんです。ゴルフは男の守り神! ほんと、ありがたやぁ〜。

 とまあ、着々と"行動の自由作戦"を遂行していると思ったら、案外、奥さんはすべてお見通しで、知っていて知らんぷりしているのかもしれません。あなたが一生懸命アリバイ工作をしている姿がいじましくて、そこまでやって隠そうとがんばるなら、見て見ぬふりをしてあげなきゃ、と思っていたりして......。

 真相は、確かめないのがお互いの身のためです。今はとにかく、せっせとアリバイ3点セットの収集に励んでおきましょうかね。

木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa