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東京・駒込などで展開するインドカレー店の外国人従業員15人全員が解雇・店舗閉鎖の危機に立たされている。運営会社から、6月17日付で店舗閉鎖、同20日付の解雇を通達されているからだ。従業員たちは、昨年から給料の支払いが滞り、今年に入ってからはまったく支払われていないことを主張している。

その従業員の1人、ジョシさん(48歳・インド人)は、弁護士ドットコムニュースの取材に「日本はいい国だと聞いていたのに・・・」とこぼした。ジョシさんによると、従業員15人が未払い賃金・残業代を求めているが、会社側が話し合いに応じていないという。

●運営会社の社長は「お金がない」と話すが・・・

「私達は6月20日で解雇・お店閉鎖を通告されています。賃金も2年払われていません。皆さん助けてください」

6月14日、東京・駒込などに展開するインドカレー店「シャンティ」店内の壁にこのような張り紙がされていると、ツイッターに投稿されて、話題になった。ジョシさんが働く「シャンティ 駒込北店」にも、ガラス戸や壁など店のいたるところに、同じ文章が書かれた張り紙がしてある。

来日19年目のジョシさんは、2009年から調理師として、「シャンティ」につとめている。しかし、ジョシさんによると、昨年3月から給料の支払いが滞りはじめて、今年に入ってからまったく支払われていないという。ジョシさんは「日本人の会社だから、給料がよくなったり、日本語の勉強になると思っていたのに・・・」と後悔を口にする。

給料未払いを受けて、ジョシさんら外国人従業員は、運営会社にかけあったが埒があかなかった。今年5月にも話し合いの場がもうけられたが、運営会社の社長は「お金がない」と話したという。だが、ジョシさんは「社長は『赤字店舗は1つしかない』と言っていた。お金がないはずがない」と反発する。

●従業員たちは店内で寝泊まり生活

会社側は6月8日、従業員の解雇と店舗閉鎖を文書で通告した。インドやバングラデシュ出身者の従業員たちのほとんどは日本語が不自由だが、日本人の協力者の助けを得ながら、労働基準監督署に駆け込んだという。

外国人従業員15人は現在、2年分の未払いの賃金と残業代計約6200万円の支払いを求めている。ジョシさんの未払い賃金と残業代も計約500万円以上にのぼるという。しかし、会社側はまともな話し合いに応じていないそうだ。

しかも、外国人従業員のほとんどは、店内で寝泊まりの生活を送っている。それ以前は、「社長の持ちもの」というマンションの一室で集団で暮らしていた。だが、今年2月にその部屋が火事になり、新しい部屋にうつることもできない状況が続いている。

もし、店舗閉鎖・解雇となると、寝泊まりできる場所からも追い出されることになる。ジョシさんは「お金も荷物もほとんどないし、ホームレスになっちゃうかもしれない」「いったんインドに帰りたいですが、そのお金もありません。早く解決してほしい」と訴えていた。

(弁護士ドットコムニュース)