連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第11週「常子、失業する」第64話 6月16日(木)放送より。 
脚本:西田征史 演出:藤並英樹


ひたすらピュアな「とと姉ちゃん」と思っていたら、いきなりふしだらな流れに。
富江(川栄李奈)のお腹の赤ちゃんのお父さんはなんと長谷川(浜野謙太)だった。

そんなーーー。お国と店が大変な時にそんなことしていいのか長谷川!

「お前もそうだったじゃないか」とまつ(秋野暢子)に言われてぐうの音も出ない宗吉(ピエール瀧)。つまり、森田家は父娘そろってだらしないことが判明した。
もしかして森田屋は、昔の日本人の夜這いシステムに回帰することで、常子(高畑充希)が男の人といっしょに歩いているだけで怒られるような理不尽な日本の状況に反抗しているのかもしれない。だとしたらかっこいい。たぶん考え過ぎだけれど。

富江の事情を知ったまつは深川を離れて高崎で暮らすことを承諾。みんなで、富江と長谷川の祝言を行うことになる。
だが、このご時世、食材が思うように手に入らない。困るみんなに、まつは目覚ましいアイデアを駆使してみせる。足りない卵を補うためにとろろ芋を加え、量を増すと同時にふんわりした食感もつくり出す。これは真似してみたい! 卵少なめでコレステロールが心配な人にも最適かも。

こんなふうに64回はまつ役の秋野暢子が大活躍。
美子(杉咲花)が、富江のためにつくった着物を見た時の、まつの嬉しそうな表情。「こんな立派なもんを用意してもらってありがとう」と目頭下げながら頭を下げる。いつもちゃきちゃきの江戸っ子キャラが、柔らかな親心をのぞかせた。

それにしても、富江と長谷川は意外過ぎ。これまで、なんとなく仲良さそうな伏線はあっただろうか。全然気づけなかった。万が一、伏線を描いてないとしても、それはそれで効果をあげている。なぜなら、現実では、神の目線なんてなく、ひとはある日ある時、思いがけない他人の真実に遭遇して仰天するものだから。
(木俣冬)