中国メディア・光明網は15日、資源に乏しく国土の小さな日本が世界に名を轟かせる科学技術大国へと成長していった過程について、「わが国に対して少なくとも3つの方面における啓示が存在する」と論じた記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国メディア・光明網は15日、資源に乏しく国土の小さな日本が世界に名を轟かせる科学技術大国へと成長していった過程について、「わが国に対して少なくとも3つの方面における啓示が存在する」と論じた記事を掲載した。

 記事は1つ目の啓示として「一国が大国として台頭し、その地位を保持するための原動力は、自然資源ではなく、主に科学技術能力である」点を挙げた。これまでの中国の急成長は効率の悪い資源の大量消費、物的な資本投入によって実現したものであり、それゆえ立ち行かなくなるような問題が日増しに顕著になったと説明。加えて、人口の多さを考慮すれば1人あたりの資源量は極めて低いことを指摘し、「平和的な台頭を実現するには、十数億の国民によるイノベーションの潜在力を十分に発揮させなければならない」と論じた。

 2つ目の啓示は「模倣はオリジナルの技術力を高めるうえで必ず通るべき道」。日本もかつては劣悪なパクリ品の代名詞となっていたと説明し、中国もこれまで積んできた模倣の経験をオリジナル技術へと転化する段階に入っているとした。一方で、なおも「原始的なイノベーション段階」にも入っていないのが現状であり、産・学・研が団結して技術革新への取り組みを強化しなければならないと指摘している。

 3つ目は、「技術革新が起こりやすい制度的環境や社会文化を育むこと」であるとした。その要素として、知財権保護制度の充実、人材資源を恒久的に生み出せる教育体系の整備、各種基礎研究・技術研究などに対する政策的支援の強化、全国民がイノベーションに取り組もうとする社会ムードづくりの4点を示している。

 中国はこれまで、スケールの大きさに物を言わせて急成長を遂げ、大国としての存在感を増してきた。しかしそのやり方には限界が見えはじめ、スケールだけに頼らない、質や効率をも重視した発展モデルへの転換を図ろうとしているのが現状だ。記事が示した啓示の3つ目が実は一番重要であり、しかもそこに掲げられた要素の4つ目、すなわち「全国民がイノベーションに取り組もうとする社会ムードづくり」が成否を大きく占うように思える。

 国や行政が号令を掛けるのは簡単だ。一方で、従事者や一般市民を「その気にさせる」のは難しい。一たび彼らをその気にさせてしまえば、あとはトップが上手く舵取りをしていくことで、イノベーション社会に向けた動きは確固たる流れと変わっていくのである。どうやってその気にさせるか。やはりそうすることでメリットや利益が享受できる仕組みを作っていくことだろう。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)