中国政府は2015年5月19日、中国製造業の高度化に向けて「中国製造2025」計画を発表した。2025年までに達成すべきロードマップを示した計画であり、中国は「製造強国」への仲間入りを狙っている。(イメージ写真提供:(C)Bartlomiej Magierowski/123RF.COM)

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 中国政府は2015年5月19日、中国製造業の高度化に向けて「中国製造2025」計画を発表した。2025年までに達成すべきロードマップを示した計画であり、中国は「製造強国」への仲間入りを狙っている。

 「中国製造2025」における製造強国とはイノベーションを背景に付加価値の高い製品を生産できる製造業を指すが、中国が「中国製造2025」を打ち出したのはコストメリットを強みとした世界の工場としての地位が危うくなっているためだ。

 中国メディアの中国投資咨詢網はこのほど、中国国内における人件費の高騰などを背景に、多くのメーカーが中国撤退を余儀なくされていると伝えている。

 記事は、中国国内の製造業の集積地ではすでに「多くの工場が静まり返り、物流トラックの数も減少してきている」と指摘し、日本の各メーカーをはじめとする外資メーカーが中国撤退を進めているのは「すでに聞き慣れたニュースになった」と指摘。

 さらに米アップルのスマートフォン「iPhone」の組み立てを行っているフォックスコンも中国からインドへと工場を移転させる可能性が浮上していることを紹介したうえで、フォックスコンがすべての生産ラインをインドに移転させた場合、「100万人規模で失業者が出る」と警戒感を示した。

 また記事は、中国でも多くの製造業が集まる深セン市を例に「すでに多くの住宅用マンションが建設され、工業用地が足りない状況となっている」と指摘し、土地不足は地価上昇につながり、企業の賃料に関する負担も増加していると指摘し、「ベンチャー企業や中小企業にとっては到底負担できないコスト水準だ」とした。

 さらに、中国では人件費だけでなく、土地の賃料高騰も製造業の発展を阻害していると指摘したうえで、「中国の製造業は中国人が想像しているほど競争力のあるものではなく、高度化を実現する前にすでに空洞化が始まっている」と危機感を示した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)Bartlomiej Magierowski/123RF.COM)