ボンズから偉業達成のイチローへ最高の賛辞「2度と現れないほどの逸材」
ボンズが“提言”「次なるイチローが見つかったら早くメジャーに連れてこい」
現役時代にメジャー最多の762本塁打を放ち、今年からマーリンズの打撃コーチを務めるバリー・ボンズ氏がイチローに最大級の賛辞を贈った。イチローは15日(日本時間16日)のパドレス戦で2安打し、日米通算4257安打(NPB1278本、MLB2979安打)でピート・ローズのメジャー最多4256安打を一気に抜き去った。また、史上30人目のメジャー3000安打にも残り21本に迫っている。ボンズ氏はイチローが刻んできた記録をどう見ているのか。
――イチローはあなたの目にはどんな打者だと映っていますか?
「グレイト。彼が素晴らしい打者であることは、誰も疑わないだろう。彼がどんなタイプのプレーヤーか、誰の目にも明らかだ。唯一残念なのは、彼がすべての安打をここMLBで記録できなかったこと、日米両国になったということだ。我々にとっては常にピート・ローズという存在がある。彼は全キャリアをメジャーでプレーしたからね。でも、同時に我々にとってイチローはローズに並ぶ存在だ。両国でプレーし、そのリスペクトを勝ち得た」
――日米合算についての個人的意見を教えてください。
「私の考え?もし日本で次なるイチローが見つかったら、もっと早く日本から送り出し、こっち(メジャー)に早く連れてくることだ。そしたら、ここで記録が積み重ねられる。それが私の意見だ(笑い)。日本で10年もプレーさせるなよ。そんなことさせたらダメだ。すぐにメジャーに来させて、選手のやりたいようにさせてあげるべきだ。それというのも、(イチローは)2度と現れないかもしれないほどの逸材。ピート・ローズの記録を見てみろ。どれだけ長い間破られずに来たか。もしイチローのような逸材が見つかったら、2度と日本に長居させるようなことをしてはいけない」
――あなた自身も大記録に並び、破る経験をしてきましたが、今年のイチローはどう映っていますか?
「リラックスしているように見えるよ。いつもと違った様子は見えない。彼はおそらくこのチームで最高のチームメイトの1人であり、最高に面白い奴の1人であり、チーム全員それぞれと違ったハンドシェイクを持ってもいるし。どうやって全部覚えているのかわからないけどね(笑い)。最高のプレーヤーの1人で、とても穏やかで頭のいい野球選手だ」
安打ごとにボールを回収、イチローにプレゼントするボンズの心遣い
――あなたのデビューした年は、ピート・ローズ現役最後の年でした。最多本塁打記録保持者として、最多安打記録はどんな記録と考えていますか?
「私には絶対に成し得なかった記録だ。ピート・ローズとイチローの2人が一緒の場に立って、皆さんにいろいろな話をしてほしいと切に願う。だって、この2人しか成し得ないことだからね。ピート・ローズとイチローが同席して、みんながいるところで話をしたらいいと思うんだ。ピートもそういう機会があれば喜ぶと思う。もし実現したら、2人にとっても楽しいことだと思うよ。4000本安打した選手が2人同席するんだから、これは私たちみんなにとってもいいことではないかと思う」
――イチローが安打したボールを集めて、本人に渡しているそうだが。
「私たちは子供の頃から一生懸命に野球をプレー続けて、こういうチャンスを手に入れることができた。だからこそ、(記録達成の過程を)ちょっと楽しむことをしてもいいと思う。彼はこのチャンスを得るまで懸命にプレーし続けたんだから。だから、私が渡したボールを家に飾ってもいいし、国に寄付したり、ファンや友達にあげてもいい。
そうできる権利はあると思うんだ。記録が近づくと、MLBが記念ボールの管理に関わってくるからね。だから、その前に渡せるだけのボールは渡すって言ったら、彼はとても喜んでいたよ。友達にあげれば喜んでくれるって。ちょっとした喜びを味わう権利はある。多分今まで15球くらい集めたかな。それをガラスケースに入れておけば、いつかこの日のことを思い出した時に、ボールを持っていたなって思い出せるし、自分の好きなように使える。彼はそれだけのことをしたんだ。彼以外誰もこの権利を得ることはできない」