日産自動車から、まったく新しい燃料電池自動車を生み出すテクノロジーが発表されました。それが、バイオエタノールから発電した電気で走行する燃料電池システム「e-Bio Fuel-Cell」です。

1

現在、トヨタやホンダが市販している燃料電池車は、水素を燃料とする固体高分子型燃料電池(PEFC)を搭載しています。一方、日産が発表した技術は、エタノールや天然ガスなどを改質する(水素を取り出す)ことで、燃料電池を動かそうというもの。

さらに燃料電池そのものも、常温域で動くPEFCではなく、固体酸化物型燃料電池(SOFC)としているのがポイントです。これまでSOFCは高温(700度以上)で作動する上、起動にも時間がかかる傾向にあり、移動体に使うには向いていないと言われていました。

しかし、エタノールなどの液体燃料を使うことで、燃料インフラの整備やタンクのコストなどでは大きなメリットがあります。とくに、サトウキビ由来のエタノールを自動車用燃料として利用しているブラジルなどでは、従来のインフラのまま利用できる燃料電池車となるといいます。

こうしたバイオ燃料は、実質的に大気中の二酸化炭素を増やさずに済む「カーボンニュートラル」を実現することも、「e-Bio Fuel-Cell」のメリットです。

さらにSOFCは、高温で作動するため高価なレアメタルを使った触媒が不要というのもコストや持続性において有利なシステム。また、一般にSOFCはPEFCに対して発電効率に優れているといのもアドバンテージといえそうです。

自動車の動力源として世界で初めてSOFCを車両に搭載するという「e-Bio Fuel-Cell」、まずは長時間連続稼働を前提とした商用車などでの活用が期待されます。

(山本晋也)

日産が燃料改質・固体酸化物型燃料電池を世界で初めてクルマに搭載!(http://clicccar.com/2016/06/16/379015/)