「自動車は高い」とよく言われますが、これは購入時にかかるコストだけでなく、維持・管理にかかるメンテナンスのコストも考慮してのものです。アメリカでは自動車購入費用の家計に占める割合は5%なのに対して、自動車の保険を含めた維持管理費用の家計に占める割合も5%とのこと。そこで、メンテナンスコストに着目して、維持しやすい自動車&手放さざるを得ない自動車をランキングすると、予想通りの結果になっています。

The Most and Least Expensive Cars to Maintain | Advice from YourMechanic

https://www.yourmechanic.com/article/the-most-and-least-expensive-cars-to-maintain-by-maddy-martin

自動車修理を手がけるYourMechanicが、世界中の自動車メーカーの大衆車について、アメリカ国内でのメンテナンスにかかる費用を徹底的に調査してランキング化しています。

自動車を購入してから10年間にかかるメンテナンス費用の合計金額の平均値を、自動車メーカー別に調べたランキングがこれ。ワースト1はBMWでメンテナンス費用は「1万7800ドル(約190万円)」。その後に、メルセデス・ベンツ、キャデラック、ボルボ、アウディと高級車が続きます。一方、ベスト1はトヨタで、10年間の合計費用は「5500ドル(約60万円)」とワースト1のBMWの3分の1以下という安さ。ちなみにScion(サイオン)、Lexus(レクサス)もトヨタのブランドなので、ベスト3をトヨタが独占する状態です。



ドイツを中心とするヨーロッパの自動車メーカーの結果がふるわないのとは対照的に、メンテナンス費用の安い自動車メーカーの4位がホンダ、5位が三菱、7位がマツダ、8位が日産、11位がスバルと日本の自動車メーカーが上位を独占。なお、ホンダの高級ブランドAcura(アキュラ)だけ20位と順位が低いのが目に付きます。

車種別のメンテナンス費用のランキングはこんな感じ。ワースト1がクライスラーのセブリング、2位がBMWの328i、3位が日産・ムラーノと続き、20位のミニ・クーパーまですべての自動車が、10年間に1万1000ドル(約120万円)以上のメンテナンス費用がかかることになっています。



メンテナンス費用のベスト1はトヨタのプリウス。トヨタ、韓国のKia、ホンダ、日産、サイオンとアジアメーカーがトップ10を独占しています。



メーカー別の故障頻度ランキングはこんな感じ。ダッジとクライスラーが同じく排気系にトラブルを抱えているのはフィアット・クライスラーグループ内で共用の部品を使っているかもしれないとYourMechanicは指摘してます。



これはエンジンスタートできないトラブルに関するメーカー別のワーストランキング。数字は全メーカー・全車種の中央値を1としたときの倍率です。ちなみに、GM傘下のハマー・フォード傘下のマーキュリー・GM傘下のサターンと、ワースト5のうち3メーカーがブランド廃止となっています。



エンジンスタートできないトラブルに関する車種別ランキング。トップ3までの自動車は、スタートできないトラブルが中央値の20倍以上の頻度で発生するようです。



なお、全メーカー・全車種のメンテナンス費用の年次別平均額をグラフにするとこんな感じ。YourMechanicによるとメンテナンスの年間費用は10年目まではほぼ比例してコストが上昇し、11年目から12年目に大きく上昇する傾向になるとのこと。「10年」を一つの節目に自動車を買い換える人が多いという消費行動にもうなずける結果となっています。