インターネットの台頭や、より多くの若い世代の視聴者を市場に取り込むという課題に対し、日本ドラマ、中国ドラマ、韓国ドラマの三者のうち、どこの国のドラマが最も市場を意識しつつクオリティーも追求し、視聴者に認められているだろうか?

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インターネットの台頭や、より多くの若い世代の視聴者を市場に取り込むという課題に対し、日本ドラマ、中国ドラマ、韓国ドラマの三者のうち、どこの国のドラマが最も市場を意識しつつクオリティーも追求し、視聴者に認められているだろうか?北京晨報が伝えた。

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数十年前、日本のテレビドラマ「東京ラブストーリー」と「燃えろアタック」が中国国内で人気を博し、その世代全ての人々に大きな影響を与えた。時代は流れ、現在日本ドラマを見るのは格調高いドラマを求める少数派の人々となっている。

一方で韓国ドラマのファンはすでに中国の全国各地にまで広がり、特に「星から来たあなた」や「太陽の末裔」といった作品の人気で、「韓ドラ現象」が再び人々を席巻している。中国ドラマはどうかといえば、都市での生活を描いたドラマと抗日戦争ドラマは依然として海外進出が難しく、歴史ドラマは韓国に進出した作品もあるが、それはごく一部の限られたほんの一握りだ。上海で開かれている上海テレビ祭では、上海メディアグループ(SMG)が日本、中国、韓国から関係者を招待し、各国テレビドラマの発展の現状について交流を行った。

▼「太陽の末裔」という新たな傑作ドラマを擁した韓国ドラマ
最近人気の韓国ドラマと言えば、ズバリ「太陽の末裔」だろう。女性軍医官と特殊部隊の兵士という「超エリート」が繰り広げるラブストーリーにメロメロになった乙女たちが少なくないようで、そのデータ通信量やトピック数はいずれも「星から来たあなた」に匹敵している。主役を演じるソン・ジュンギは一躍「国民の旦那様」となり、中国と韓国で人気が急上昇している。またヒロインを演じるソン・ヘギョも「永遠のベビーフェイス」と人気が再沸騰している。

どうして韓国ドラマは中国で人気が高いのだろうか?関係者は、まず脚本がしっかりしている点、そして文化的なつながりが多い点を指摘している。合一グループの高級副総裁である朱向陽氏は「どの国もそれぞれ得意とするジャンルがあると思う。例えばハリウッドと協力した際に感じたことだが、彼らは超能力や推理のジャンルを得意とし、日本や韓国はと言えば、ラブストーリーや若者向けのテーマに強い。このジャンルではかなり多くの点で共通項を見出すことができる」と指摘するが、共通項があったとしてもそれだけでアジアの作品が全世界でも受け入れられる人気ドラマとなるとは限らないのだ。

例えば「太陽の末裔」を例にすると、同ドラマは中国の動画配信サイトの愛奇芸で同時放送するため、放送しながら撮影を続ける方式を変更している。韓国のCJ E&Mテレビドラマ部門の総裁である崔真僖氏は「韓国では各テレビ局が独占してドラマを放送する。そのため、以前は我々も放送しながら撮影を続ける方式を採用していた。つまり放送開始前にまず4〜5話分ほど撮影しておき、あとは放送しながら撮影を続けていく。このような方式には長所もあれば短所もある。長所としては放送しながらなので、視聴者の反応をみることができ、脚本や撮影でそれら視聴者の意見を反映させることができる。短所はスケジュールがタイトすぎるため、撮影のクオリティに影響を与える可能性がある点だ」と語った。

▼90年代の輝かしさをなかなか取り戻せない日本ドラマ
韓国ドラマの人気と比べ、現在日本ドラマは、少数派の人々がその格調の高さやセンスを磨くために見るドラマで、ゆったりとして、のどかな人々でないととても見る気にはなれない。これもまた中国で日本ドラマが理解されにくいという理由でもある。確かにここ数年、「半沢直樹」や「昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜」、「ダメな私に恋してください」、「深夜食堂」などの日本ドラマが人気だが、それはホワイトカラーやエリートたちの間でのことで、その人気は一般的とは言い難い。

1990年代の「東京ラブストーリー」や「ロングバケーション」といったようなあらゆる世代の国民が日本ドラマを見るという盛り上がりを取り戻すことは難しいだろう。日本のフジテレビの常務取締役である大多亮氏も同様の悩みを訴えている。「この問題は大変悩ましい。『東京ラブストーリー』のようなテレビドラマは1人の男性と2人の女性による単純な三角関係を描いたドラマに過ぎない。ただ若者向けのトレンディドラマとして製作された同ドラマが最終的にはあらゆる世代の人気を集めることになった点は注目すべきだ。このことからラブストーリーは不変のテーマであることがわかる」と指摘し、現在のドラマは年齢層によって分かれており、普遍的なテレビドラマの製作を望んでも、最終的には若者または中年層をメインとした結果に終わってしまい、全世代で話題となるようなドラマにならないと語った。

また「東京ラブストーリー」や「最高の離婚」の脚本を手がけた脚本家の坂元裕二氏も「今の日本のテレビドラマは『東京ラブストーリー』の時代と比べ、確かにアジアで遅れをとっており、韓国ドラマには及ばない」と言い切った。

▼共同製作やリメイクドラマで市場を救おうとする中国ドラマ
国際的なテーマとはなんだろうか?この命題は見た感じ大きそうに見えて、実際はそんなことはない。「人間本来が表す感情の最も底辺にあるもの、それが情緒だ」と崔真僖氏は「太陽の末裔」で自分の考えをまとめている。「見かけの良さ」では韓国ドラマに及ばず、「中身の良さ」でも日本に及ばない中国ドラマの行き先はどこにあるのだろうか。リメイクドラマは試みの一つであるかもしれないが、現在のところリメイクドラマの名作はまだ現れていない。

同フォーラム開催に先立ち、上海メディアグループは「純愛三部曲」計画を発表し、「デート〜恋とはどんなものかしら〜」と「プロポーズ大作戦」、「最高の離婚」という日本ドラマ3本のリメイクドラマを製作する予定だ。大多氏自身はリメイクドラマの製作に異議があるということだが、今回の提携を通じてより多くの試みが可能だとした。「私の経験からすると今まで製作された共同製作のドラマはどれも出来はあまり良くなかった。例えば中国と日本のテレビ局が共同製作を行う場合、どちらが指揮を執るのか?主導権がどちらの国にあるのかが非常に曖昧なため、成功しているとは言い難い。『デート〜恋とはどんなものかしら〜』に関して言えば、日本の場合、通常、商業的な角度からテレビドラマを撮影するため、テレビ局の収益も少なくない。しかし同ドラマには海外に進出するという戦略は全く建てられていない。今回の国際的な協力では、中国側が主導権を握り、日本側は各方面から援助を提供するという提携方式が望ましい。そうすることで中国側がリメイクしたこのドラマが日本に再上陸を果たした際に日本の視聴者にも受け入れられると思う」と指摘した。

また崔真僖氏も「韓国でも現在までにリメイクドラマが成功した例が無い。文化的な共通点があることは有利に働くが、具体的なお国事情や言葉への細かな処理などがテレビドラマの出来を左右することは想像に難くない」としている。(提供/人民網日本語版・編集TG)