皮膚も排出器官のひとつ(shutterstock.com)

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 酸菌の効果で最も知られていると言えば便秘の解消。これはなによりも肌荒れを防ぐのには欠かせない。

 そのほか、皮膚に適度な潤いを保つなど、乳酸菌やビフィズス菌はきれいな肌づくりにおおいに効果を発揮してくれる。

美肌づくりの大敵、便秘を解消

 便秘になると肌が荒れてくるのを実感として感じている人は多いのではないだろうか。あまり知られていないが、皮膚も排出器官のひとつなのだ。

 便秘などによって腸内の環境が悪化し、腸内で悪玉菌が活発に働くようになると、腸内ではインドールやスカトール、アンモニア、アミンなどの腐敗物や有毒ガスが発生する。これらの腐敗物や有毒ガスは、腸の粘膜の毛細血管を通して、やがて全身に達する。これらが皮脂や汗にまぎれて排出され、吹き出物の原因となる。

 また、もともと肌は、たまっている汚れを排出し、きれいにする自浄作用がある。しかし、腐敗物や有害物質の排出が増えると、普段どおりの自浄作用の能力が落ち、これもまた肌のトラブルを起こす原因になる。

 乳酸菌やビフィズス菌の大きな効果のひとつには、腸内環境を整え、便秘を解消することがあげられる。腸内の善玉菌が増えることで、腸の蠕動運動が刺激され、便秘解消につながるのだ。乳酸菌やビフィズス菌が腸内環境を整える効果があることは、これまで数々の実験が行われ、実証されてきた。

 たとえば、その実験の方法として、一般的に腸内環境の悪化を示す指標、血液中のフェノール類という腸内細菌がつくりだす有毒物質を調べる方法がある。

 実験のため健康な女性を2つのグループに分け、1つのグループにビフィズス菌入りの発酵乳を、もう一方のグループには疑似飲料を1日100ml、4週間飲用させ、血液中のフェノール類を調べたところ、ビフィズス菌発酵乳飲用グループはフェノール濃度が有意に低下しているのがわかった。
皮膚の保湿効果や肌機能のバリア効果も

 同時にこの実験のデータでは、皮膚の角層水分の含有量についても、大きな差が出ていた。ビフィズス菌発酵乳飲用グループは、疑似飲料グループに比べて皮膚の角層水分含量が有意に高い値を示していたのだ。つまり、ビフィズス菌を日常的に摂取していれば、肌の潤いが保たれるということになる。

 また、乳酸菌やビフィズス菌を多く含むヨーグルトは、美肌づくりに最適な食品だ。ヨーグルトには、良質なたんぱく質やビタミンB2やビタミンAなどが含まれている。

 ビタミンB2は皮膚の毛細血管を丈夫にし、ダメージを受けた皮膚を再生させる働きを持っている。ビタミンAは乾燥肌を防ぎ、汗腺や皮脂の機能を正常に保ち、皮膚の角化を促す効果がある。それによって、小じわなどの皮膚の老化を防いでくれる。また、皮膚の細菌感染を防ぐという役割も果たしている。

 さらに、美肌のもうひとつの大敵には、ストレスがあげられる。ストレスがかかるとホルモンのバランスがくずれ、肌のバリア機能が低下したり、皮膚の血液量や水分含有量が減ってしまう。

 それに対して、ヨーグルトの粘り成分がストレスによる肌の機能障害に効果を発揮し、肌機能を改善させることがマウスによる実験で確認されている。ヨーグルトの粘り成分というのは、乳酸菌が産出する多糖類だが、その粘り成分も美肌づくりに役立っているということになる。

 美肌づくりに関わっている乳酸菌としては、サーモフィラス菌1131株、JBL05株、ブレーベヤクルト株、ブルガリア菌2038株などがあげられる。美肌作りを目指したい人は、このような乳酸菌が入っているヨーグルトを日頃から摂取していくとよいだろう。

後藤利夫(ごとう・としお)
1988年 東京大学医学部卒業。1992年東京大学附属病院内科助手。現在、新宿大腸クリニック院長。「大腸がん撲滅」を目標に独自の無麻酔・無痛大腸内視鏡検査法を開発。大腸内視鏡40000件以上無事故の大腸内視鏡のマイスター医師。一般社団法人・食と健康協会顧問。著作に『あなたの知らない乳酸菌力』(小学館)、『その便秘こそ大腸ガンの黄信号』(祥伝社)、『腸イキイキ健康法』(主婦と生活社)、『腸をきれいにする特効法101』(主婦と生活社)、『腸いきいき健康ジュース』など多数。大腸がんのインターネット無料相談も実施中。
新宿大腸クリニック公式HP http://www.daicho-clinic.com