リビングから参加できる人命救助アプリ『I SEA App』発表。衛星画像とクラウドソースで地中海渡る難民を探す

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地中海の島国マルタ共和国に本拠を置く移民支援組織MOAS(Migrant Offshore Aid Station)が、定期的に更新される地中海の衛星画像から難民の乗った船を探索するアプリ「I SEA App」を発表しました。

協力しようと思う人なら誰でも、i SEA App を起動するだけで、難を逃れ地中海を渡る難民の発見に協力できます。I SEA Appを起動すると、ユーザーには地中海の一定のエリアが割り振られ、そのエリアを写した最新の衛星画像から難民の乗る船を探索する役目が与えられます。

アプリにはどのぐらいの範囲を探せばいいのか、確認した範囲がどれぐらいで、残りはどれぐらいかなどといった情報は一切なく、ユーザーはひたすら、くまなく、目を皿のようにして、ただただ海の画像から船を探す必要があります。MOASは「だいたい1分ほどで割り当てた範囲をチェックできるので、たとえば列車で移動する最中などにちょっと協力することもできるだろう」としています。

 

 

もし、難民ボートと思われる影を発見した場合は、それにタグをつけて"関連当局"に提出できます。このとき、ユーザーには(おそらくいたずら防止のため)氏名とメールアドレス、パスポート番号の記入が求められます。ただ、嘘の情報を記入しても情報は送信できる模様で、このしくみにどこまで信頼性があるかはわかりません。

送信した情報はMOASによって分析され、難民ボートと判断されれば所有する2隻の救助船を向かわせるなどの対応が取られます。またユーザーは情報を送った後はふたたび同じエリアの残りについて探索を続けることになります。

地中海ではドローンやライフガードロボットを使った難民の捜索も行われています。しかし、飛行時間の短いドローンでは探せる範囲は限られ、かと言って毎日ヘリコプターを飛ばすわけにも行きません。

その使い勝手などには改善の余地が多々あるものの、I SEA Appは「お金はないけどスマートフォンと暇ならある」という人なら、いつでもどこでも人命救助に参加できるという、これまでにない画期的なアプリなのかもしれません。

地中海を渡る難民は後を絶たず、昨年、乗っていた難民ボートの転覆によって死亡した男児の写真が世界に衝撃を与えたのも記憶にあたらしいところ。今年4月にはリビア沖で船が転覆し、500人もの難民が死亡したとのニュースがありました。