お年寄りに優しい気持ちで触れる

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【ガッテン!】(NHK)2016年6月1日放送
「痛み&認知症に効く!『癒やしホルモン』の驚きパワー」

フランスでは、男性が道行く女性に電話番号を聞き出す実験で、たった1秒腕に触れるだけで成功率が2倍に上がったという結果が得られた。

この「ボディータッチ」、ナンパだけに効果を発揮するのではなく、実は痛みやストレス、高血圧や認知症まで、様々な病気の症状を改善してくれる、驚きの力を持っている。

8年間も苦しんでいた痛みが軽減

痛みやストレス、強い不安は、脳の「扁桃体(へんとうたい)」という部分で感じている。ずっと痛みやストレスが続くと扁桃体は興奮しっぱなしになり、痛みが増幅、血圧も上がり、不眠まで引き起こす。

この時に体を優しく触ると、脳の視床下部という領域から「オキシトシン」という物質が出てくる。これは興奮している扁桃体に直接働きかけ、興奮をしずめてくれるもので、扁桃体が引き起こしていた様々な症状まで抑えてくれる。

東京医療学院大学学長、日本医科大学・佐久間康夫名誉教授「触れる面積が広いほど安心感が出る。触る側にも効果はあるが、赤の他人が電車の中でちょっと触るくらいでは効果は出ない。日常的に会話をしていたり、一緒に生活をしている人との触れ合いが有効。なるべく頻繁に接触した方がよいが、機械的になってはいけない」

番組で紹介された永井香さんは、8年前からリウマチの影響で体中の痛みに苦しんでいる。コップをつかめないほどの重症で、痛みで朝まで眠れないことも。痛み止めの薬もほとんど効果がないという。

しかし知人の看護師に、背中を10分間ゆっくりさする「タッチケア」をしてもらったところ、焼けつくようだった手の痛みがきれいになくなり、歩くのも楽に。首や腰も楽に動かせるようになった。

高血圧の人に背中のマッサージを10分間、週3回行ったところ、血圧が平均で10下がったという実験結果もある。

家でもできる「タッチケア」の方法

認知症を患っている大泉富子さんは、徘徊の癖があり、実の娘の介護も乱暴な言動で拒絶してしまうこともあった。ところが、友人から紹介されたタッチケアを、娘が富子さんに毎日10分、1週間続けたところ、乱暴な言動はすっかり減り、何と徘徊もなくなった。

不安やストレスの軽減も期待でき、東日本大震災や熊本地震の避難所でもタッチケアが効果を発揮している。

タッチケアには特別な勉強などは不要で、家庭でも手軽にできる。

まず、受ける側はいすの背やテーブルにもたれ、楽な姿勢を取る。タッチする側は両手の手のひらを相手の背中にぴったり付け、背中全体をなでる。1秒間に5センチ動かす程度のゆっくりとしたペースで、手のひらでアイロンをかけるようなイメージで行う。1回10分が目安だ。

一人暮らしなどで身近にタッチケアをしてくれる人がいない、という人は、電話などで、信頼できる、好きな人の声を聞くだけでもオキシトシンが出る。

その際、抱き枕などを抱きしめながら声を聞くと、相手の存在を近くに感じ、より効果が得られる。