誰も私をわかってくれない…そんな孤独感で心が押しつぶされそうなときの処方箋

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仕事が思うようにいかず、職場に悩みを相談できる人もおらず、友人や家族は仕事の悩みを100%理解してはくれない…。そんな八方ふさがりの状態だと、人は孤独を感じてしまうもの。するとつい、買いものや食事で気を紛らわせたり、無気力になってダラダラと時間をつぶしてしまったりする人もいるかもしれないけれど、それではいつまでたっても孤独感を乗り越えられないとか。

「『他人にどう評価されているか』を基準にしていると、評価が得られないとき、孤独な気分に陥ってしまいます。これは言い換えると、他人に依存している状態。買いものや食事で孤独を紛らそうとするのは、その依存の対象を一時的に変えただけであり、根本的な解決にはならないのです」

こう話すのは、働く女性にアドバイスする書籍を数々執筆してきた有川真由美さん。また有川さんは、「孤独は自分と向き合う機会を与えてくれる、貴重な時間と捉えることもできます」と教えてくれた。

「孤独は、自分はどんなときに嬉しくなり悲しくなるかを探ったり、人生で本当に叶えたいことはなにかを見つめ直りしたりと、自分について深く考えることができる時間です。考え方を変える、他人との付き合い方を変える、新たな目標を見つけるといったことにもつながるでしょう。孤独は、そうした貴重な発見ができるいい機会と考えて」(同)

では、そんな風に孤独をポジティブに受け止めるには具体的にどうすればいいのか、有川さんに3つのコツを聞いてみよう。
◆ひとり旅をしているつもりで孤独を楽しむ

誰にも気を遣うことなく自由に行動できる、ひとり旅。読書にふけったり、写真を撮るなど創作活動を楽しんだり、見知らぬ人との触れ合いを楽しんだりできるのがその魅力。孤独を感じるときは、そんなひとり旅をしているつもりで生活を楽しむと、いきいきとした時間を送れるようになる。

「通勤電車を旅路と考えて、いつもは降りない駅で降り、街を散策してみる。初めて入ったお店で、店員さんと話してみる。きれいな景色を見つけたら写真に収める…。そんな風にひとり旅の気分で孤独の時間を過ごしてみると、心豊かな経験ができ、『ひとりも悪くない』と思えるでしょう」(同)

◆日常生活を“自分のため”に過ごす

孤独感は、「人とつながりたいけれど、期待通りにつながれない」という状態から生まれるもの。そこから脱却するために、自分のために積極的に行動する時間を増やしてみて。自分のために部屋を掃除する、自分のために料理する、ストレッチやマッサージに時間をかける…など、日常の中で自分自身が気持ちよく過ごせる時間を増やそう。

「自分のために行動する時間からは、充足感を得られます。そうした時間を持てるようになると、人に振り回されることなく“自分がどう感じるか”でものごとを判断できるようになり、孤独感に陥ることはなくなるでしょう」(同)

◆自分磨きの絶好のチャンスと考える

勉強をしたり、将来について計画を立てたりする“自分磨き”は、ひとりでなければできないこと。孤独を感じるときは、自分磨きに対して集中力を発揮しやすいので、その絶好のチャンスと考えよう。

「例えば資格試験に挑戦する目標を立て、その目標に向かって日々勉強をしていると、くよくよと悩んでいる暇はなくなります。なにかを達成したり、成長したりすることで自信がつけば、他人への依存心も薄らぐでしょう」(同)

孤独感に振り回されていると、周囲も自分自身も負担を感じるもの。しかし、孤独の時間を有意義に過ごせば、人とつながり、人のために役立つことがいかに喜ばしいかに気付くことができ、周囲とよりよい関係が築けるはず。

有川真由美
作家・写真家。化粧品会社事務、塾講師、科学館コンパニオン、衣料品店店長、着物着付け講師、ブライダルコーディネーター、フリーカメラマン、新聞社広告局編集者など、多くの職業経験を生かして、働く女性のアドバイザー的な存在として書籍や雑誌などに執筆。46か国を旅し、旅エッセイも手がける。著書は『「働く女(ひと)」の77のルール』『いつも仕事がうまくいく女の41のリスト』(以上、PHP研究所)ほか多数。現在『「がんばる」を手放すための本』(河出書房新社)を発売中。