中国メディア・張家口新聞網は10日、「どうして日本はポルノやヤクザを禁止し、徹底的に撲滅しないのか」とする記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国メディア・張家口新聞網は10日、「どうして日本はポルノやヤクザを禁止し、徹底的に撲滅しないのか」とする記事を掲載した。

 記事は、明治維新以降の日本は中国よりも深く、徹底的に西洋化を実施したと多くの人が認識しているとしたうえで「実はそれは誤りである」と主張。日本の西洋化は「公共スペース」でのみ進んでおり、「私」の部分については完全に日本化されているとした。

 また、中国大陸では1949年の中華人民共和国建国以降、妓楼やヤクザ、賭博場が徹底的に消された一方で、香港・マカオや日本ではこれらが新たな方式を通じて現在の社会生活にまで融け込んでいると説明した。

 そして、日本では1970年代に陰りの見えた日本映画界の挽回策として、ポルノ映画がホラー映画とともに大量に制作されるようになったと解説。それが日本の社会にネガティブな影響を与え、性犯罪や暴力犯罪の増加を招いたため、グレード別に鑑賞可能な年齢制限を設けたレーティング制度を作り上げたと伝えた。

 記事はさらに、日本の政府や、先進的な武器と圧倒的な数的優位を持つ日本の警察がヤクザを完全に消し去らない理由について言及。「完全に排除しないが、厳格な規制をしいている。ヤクザは登録制で、その暴力レベルに基づいて異なる段階の規制を設けており、そういった意味では映画のレーティングと似通っているのだ」と説明した。

 また、日本のヤクザは一般的に「任侠団体」と自称し、「完全なる無恥の輩ではなく、任侠文化を重んじることになっている」と説明。それゆえに日本のヤクザは日本社会において一定の生存空間を確保してきたのであると論じた。

 記事は最後に、日本社会はポルノも賭博もヤクザも徹底排除しないが「これらに対して政府が厳しい規制を設けているのである」とまとめた。

 中国大陸では「社会変革」によってポルノ・ヤクザ・賭博が徹底排除されたと記事は指摘しているが、あくまで公の場から排除され、アングラ化したに過ぎないというのがより正しい認識に近いと思われる。公の場で生き残る余地を残しているか、その空間を完全になくしたかの違いであって、決して中国大陸が清廉で健全な世の中を実現したわけではないことには注意が必要だ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)