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●テクノロジーで女性の社会進出を! グーグルの取組
「長時間勤務を改善しよう」「女性が働きやすい仕事の仕方を考えよう」などと、各企業で様々な取組が進められる中、必ず出てくる「在宅勤務」。「私たちの仕事の仕方には合わない」という人も多いだろうが、実際どうなのか。グーグルが検証した。

6月14日、グーグルWomen Willプロジェクトリードの平山景子氏は、3月から5月にかけて行われた「未来の働き方トライアル」でパートナー企業が行った在宅勤務の実証実験の結果について発表した。

この「未来の働き方トライアル」は、グーグルが2014年に立ち上げたプロジェクト「Women Will」の活動のひとつだ。「Women Will」とは、同社がアジア全域で行っている女性の社会進出を後押しするもので、テクノロジーを活用して、より柔軟な働き方の実現を目指している。日本においては第1子出産を機に離職する女性が多いことなどから、仕事を継続していくための「働き方改革」が必要だと考えている。

そのために必要なことは3つ。1:人事制度の整備、2:テクノロジーの導入、3:変えていこうというカルチャーの生成だと考えており、2と3についての課題解決にアプローチしようというのだ。「未来の働き方トライアル」はこのうち主に2に対するアプローチになる。

●在宅勤務は業務に悪影響出ない
「未来の働き方トライアル」は、3月14日から5月31日までの間に、参加企業が各々で持つテクノロジーを活用して在宅ワークを体験するというもの(※グーグルによるテクノロジーサポートを受けることもできる)。トライアルには、グーグルの趣旨に賛同したサポート企業のうち10社、212人中132人が参加した。

○管理職の懸念も減少傾向

事前のアンケートで「在宅勤務によって業務に支障が出るのではないか」と32.4%の社員が懸念していたが事後のアンケートでは、2.9%に大幅減少している。さらに、「在宅勤務に適した仕事がないのではないか」と47.1%の管理職が心配していたが、事後には11.8%まで減っている。さらには、在宅勤務の方が業務に集中できたとの結果まで出てきている。

また、「在宅勤務によって、周囲の仕事の進捗状況が見えないのではないか」という問いに対しては、中間管理職(主任・係長など)の不安が56.3%と高かったのに対して、トライアル後は15.0%と大幅に改善されていることが分かった。さらには、テクノロジーの利用は業務によい影響を与えたかということに関しては、数字的には大きくないものの全業種においてプラスの評価となったと明らかにした。

●在宅勤務を成功させるヒント
例えば、こんなことがあったという。在宅勤務によって懸念される顧客への対応。取引先にテレビ会議を打診したところ、「実は毎回来社されるのは負担だった」と歓迎されたこともあったという。顧客との適度な距離感をつかむことができた事例だ。

また、在宅勤務前に当日行う仕事内容を伝え、事後に報告。共有カレンダーに業務内容を書き込んでおくことなどで、周囲も状況を把握することができ、上司も管理に不安を抱かずに済んだといったこともあったという。

東京ガスでは、在宅勤務時には常にテレビ電話機能をオンにしておき、いつでもオフィスにいるような会話ができる状態にしておいたという。そのため、会議が多い管理職でも在宅勤務に対する満足度があがったという結果も出ている。

○“やってみる”流れを作ることが大事

トライアルを行う企業での実施率の平均は62.3%だったが、森ビルは90.9%という驚異的な実施率だった。理由は明確で、グーグルが事前にトライアル企業に示していた7つのステップをすべて実行していたためだという。 トライアルを実施した人はその後、職場で自分の体験を話したり、メールで共有したりした。こういったことで「次は自分が」という流れを作れたのではないかと分析している。

やってみると意外にいろいろなことができた。集中できたと概ね良好な結果が出ている。自分の仕事は在宅勤務に向いていないのではないかと、試さない人がいる現実をどうやって変えられるかが、改革のキモのようだ。その取り組みについてもグーグルは進めている最中だ。

(冨岡久美子)