タイヤというもの、銘柄や走り方により差はあっても、走れば走るほど摩耗するのは自明の理。残りの溝が1.6mmを切ってスリップサインの現れたタイヤは法令違反となり、もちろん車検を通過させることもできません。ただし、安全性能を考えると1.6mmまで持ちこたえさせることなく交換したいものです。

しかもタイヤは、走らなくても徐々に劣化することを忘れてはいけません。タイヤはゴムやコードなど様々な材料でできていて、走行中にタイヤへかかるストレスをはじめ、たとえ走らせなくても紫外線や洗剤など常に外敵にさらされています。新品時には充分な弾力があったタイヤでも、時が経つごとに硬化して弾力がなくなり、次第にひび割れが発生してくのは、もし経験がなくても想像に難くありません。

1

タイヤの寿命は環境によって大きく異なるので一概に決めつけることはできません。しかし走行距離と同じように大事な指標として、製造からの経過時間が挙げられます。食品のようにわかりやすく製造年月日がアピールされているわけではないので、つい知らずに過ごしがちですが、実はユーザーでもちゃんと確認することができるのをご存知ですか? タイヤのサイドウォールには刻印されているセリアル番号がそれです。

セリアル番号は工場番号を示すアルファベットの後に続く4ケタの数字。後ろの2ケタが製造された年を、その前の2ケタがその年の何週目かを示します。写真のように「4414」と刻印されていれば、2014年の第44週目(10月末)に製造されたということですね。

特に冬場に数回しか走らせないような都心部のスタッドレスタイヤユーザーは、摩耗寿命よりも経年劣化が心配になるでしょう。充分にヤマはあるからといって、5年10年と経ったスタッドレスタイヤは、間違いなく性能が低下していることを忘れてはいけません。こんな時、見た目の状態や、いつ購入したかという記憶とともに、セリアルもひとつの目安となるでしょう。

しかし、スタッドレスに限らずタイヤを交換する際、セリアルで判別できる生産年月が新しいほうがいいとはいえ、神経質なくらい出来たてホヤホヤじゃなきゃダメということもありません。メーカーやタイヤ販売店が厳格に管理している新品であれば、些細な時間は気にしなくてもいいという結果もあります。

一例としてグッドイヤーのスタッドレスタイヤの「ICE NAVI6」(2014年製とその1年前の製品)と、少し古いですが「ICE NAVI ZEA」(2009年製と2年前の製品)を、ともに当時の新品を比べた結果があります。指数だけでなく細かいテスト条件を見てましょう。1年前のタイヤとの比較ではFF 1.8L中型セダンでは20km/hからの制動では7cmの差で指数上は100、2年前のタイヤとの比較ではFR 2.0Lセダンでは30km/hからの制動で20cmの差で指数上は99.5となります。大幅な性能の劣化は見られずほぼ同等という結果となっています。

これは商品自体、徹底した品質管理をおこなっており、また万全の保管体制を敷いている結果でもあります。また、メーカーだけでなくタイヤ販売店側も、雨風はもちろん紫外線対策としてラップフィルムを巻いて守っているところもあります。耐摩耗性とは別次元にある、時間軸という意味での耐久性もまたタイヤ性能に求められる重要な要素であり、タイヤメーカーはこうした開発にも全力で取り組んでいてタイヤ販売店側も工夫しているわけですね。

次回は、時間軸という面でのタイヤの耐久性を少しでも伸ばすためにも、タイヤの保管方法について迫ってみたいと思います。

(中三川 大地)

【関連リンク】
参考:日本グッドイヤー株式会社 「タイヤ基礎知識」ページ
http://www.goodyear.co.jp/faq/

タイヤの年齢がわかる「セリアル番号」の読み方知ってますか?【タイヤの豆知識】(http://clicccar.com/2016/06/14/378533/)