身近な動物からも感染する危険あり

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公園の池や川のほとりなど、どこにでもいるミドリガメ。小さいうちは飼育がしやすく昔から子どもが好きなペットの定番でもある。最近の調査だと、日本中になんと800万匹も生息しているというが、実は、子どもの健康に悪影響を及ぼす一面もある。

感染後8時間は潜伏する

カメをはじめとするハ虫類は、サルモネラという細菌に感染していることが多い。フンが感染源になることが多く、カメを直接触ったり、飼育ケースを洗ったりした手にサルモネラが付着し、それが口に入ることで感染するという。

世界には、サルモネラ症の対策としてミドリガメ(アカミミガメ)を含むカメ類の輸入を禁止している国もある。米国では1975年以降、体長約10センチ未満のカメの販売や分与が禁止されている。飼育に対して厳しい規制がある州も多い。

現在、日本には飼育の規制はないが、2005年に1歳と6歳の女の子がミドリガメから感染したサルモネラが原因で急性胃腸炎や敗血症、髄膜炎を患い話題になった。いまだに、ほぼ毎年のようにカメ類を感染源とするサルモネラ症は発生しているという。

厚生労働省のウェブサイト「ミドリガメ等のハ虫類の取扱いQ&A」によると、感染すると8〜48時間の潜伏期間を経て、下痢や嘔吐といった胃腸炎を起こす。乳幼児や高齢者では、病原菌が血液中に入って全身にまわる敗血症や髄膜炎といった重篤な疾患を引き起こす恐れもある。

しっかりと予防対策をすれば防げる

予防法は、水の交換時に食品や食器を扱う流し台などを避ける。飼育ケースを掃除する際はゴム手袋をし、ケースは塩素系漂白剤で消毒する。カメに触れた後は必ず手を洗う。そのほかに、カメをケースから出して自由に徘徊させたり、台所等の食品を扱う場所に近づけたりしないように注意することも重要だ。

同省のウェブサイトによると、ミドリガメは、米国南東部原産の外来種。1950年代からペットとして輸入されはじめ、1990年代半ばには年間100万匹も輸入されていた。

ペットとして飼育されていたカメが、逃げたり、自然界へ放たれたりしたことで野生化、北海道から沖縄まで全都道府県に生息している。同省は、北海道と西南諸島を除く全国に野生のミドリガメが、推定約800万匹生息しているとの調査結果を2016年4月22日に発表した。

川や池で遊ぶ際は、カメがいても触れないこと。また、ペットとしてミドリガメを飼っている人は、感染症のリスクを理解たうえで、しっかりと予防対策をして最後まで責任をもって面倒をみよう。

[監修:岩田健太郎 神戸大学感染症内科診療科長・国際診療部長]

参考論文
Outbreaks of Salmonellosis From Small Turtles.
PMID:26704086 DOI: 10.1542/peds.2015-1735.

(Aging Style)